【戸塚啓コラム】ズタズタに引き裂かれたプライド。王国ブラジルはなぜ壊れたのか
黄金の中盤を擁した82年大会で、攻撃陣で唯一のネックとなったセルジーニョでも、5試合で2得点をあげている。ドイツ戦の途中からフレッジにブーイングが浴びせられたのも、避けがたいものだっただろう。
それにしても、である。
世界で唯一第1回大会から連続出場し、最多5度の優勝を誇るサッカー王国のプライドは、2014年7月8日に粉々に砕かれた。世界の1・5流や2流の国が、大敗を喫するのはわけが違う。
開催国だ!
準決勝だ!!
偉大なる先達たちが築きあげてきた歴史も、伝統も、畏怖の念を抱かせるカナリア色のユニフォームの〈見えざる力〉も、すべてが吹き飛んでしまったに等しい。許されざる大敗であり、決して忘れることのできない惨劇である。
セレソン・ブラジレイラことブラジル代表は、これからどのようにチームを再建していくのか。ワールドカップの狂熱は急速に冷め、サッカー王国は重すぎる課題を突きつけられた。

1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している
