新入社員は覚えておきたい 上司への提出資料は「6〜7割の完成度」「素早く雑」でOK

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4月から新入社員として仕事に就くようになった皆さん、5月もはりきっていますか? 転職や転勤で職場が変わった人も多いのではないでしょうか。何かと環境の変化が多いこの季節。そんな時に、新入社員にとっては覚えておきたいこと、そして、転職・転勤者には思い出したいことの一つに"Quick&Dirty"という言葉があります。

実は、この言葉、「素早くて雑」という意味になります。

この言葉をしっかりと受け止めて仕事すべきだと語るのは、書籍『起業家のように企業で働く』の著者・小杉俊哉氏です。仕事には「完成度」と共に重要な「時間」というものがあります。どちらも追い求めたいものです。ですが、よく考えてみてください。例えば、上司からの資料作成の指示、最高のもの仕上げたとしても期日を過ぎていると、全くの意味をなしません。あなたの評価は一気に下がるでしょう。

しかし、6〜7割の仕上がりで、期日前に作り上げ提出した場合、上司はこれをどう受け止めるでしょうか。小杉氏はこう説明します。

「一般に上司は、判断するための情報が欲しいので、必ずしも完璧なものを求めているのではなく、要点や傾向が分かればいい、ということが多い。その6〜7割の完成度で十分すぎる場合も多いのだ。もし、詳細なデータ、裏付けが欲しければ、『よし、要点は分かった。あとは明後日までに裏付けを取っておいてくれ』と指示するだろう。そのような場合、上司の君への信頼感は非常に高くなり、評価されることになる」(小杉氏)

上司の狙いを察する限り、6〜7割とわりと"雑"な仕上がりであっても、早めに提出するのが、あなたの評価にとっても、会社にとっても良いことだと言えるのです。早めの提出は修正時間の確保にも結びつきます。ですので、逆に時間をかけるのであれば、最高に完成された資料の提出が求められてしまうでしょう。もし、そんな自信がないと言うならば、早めの提出が吉なのです。

また、小杉氏は、この"Quick&Dirty"をお礼の場でも採用すべきといいます。人にお世話になったり、ご馳走してもらったりした場合は、その日か、遅くても翌日にはお礼を届けた方がベター。時間が経ってしまうと、お礼に加えてお詫びも書く必要が出てきます。やはり、ここでも早めのお礼が吉となるのです。

何事も、最高で最速でできれば良いですが、迷った時に優先すべきは......もう、わかりますよね?

【書籍データ】
・『起業家のように企業で働く』小杉俊哉著 クロスメディア・パブリッシング