精力剤CM、男性の強さの象徴に「ビン・ラディン容疑者」・・・9.11テロNY貿易センタービル倒壊の動画も利用=中国
広告の情報量は多く、冒頭部分からかなりスクロールしないと全体を見ることができない。ただし、掲載事業者を表示するバナーなどは機能していない。関係者に連絡する手段として紹介されているのは「問い合わせ」の電話番号と、商品注文のフォームだ。推薦商品として、3週間分の詰め合わせセットが1760元(約2万9000円)と表示されている。
写真は同広告の一部。左側に世界貿易センターのビルが倒壊する瞬間の動画がある。
◆解説◆
中国では、当局が報道や表現の統制を行っている。インターネットにおける表現も厳しい統制の対象だ。ただし、当局の取り締まりの対象になっていない分野については、きわめて“自由”な表現が常態化している。
精力剤などの広告ではインターネットに限らず「医薬品の説明」、「医学的な内容」の形式を整えた上での極めて露骨な表現が多い。広告内の画像も「相当に扇情的だが露出度は控える」手法が多い。当局の摘発を逃れるためと考えられる。
上記広告で最も疑問視すべき点は、「多数の死傷者を出したテロの首謀者」とされる容疑者を、利益目的で安直に利用していることだろう。もちろん、意見表明としては「悪いのは米国。ビン・ラディン氏は正しかった」との主張も成り立つが、そこまで考えて掲載したとは思えない。
中国政府の情報統制の是非そのものは別にして、仮に統制するならば「社会にとって有害な情報は認められない」という“筋を通す”ことが必要なはずだ。そして中国は自国内外で発生するすべてのテロ行為を厳しく非難している。
利用者も多く影響力の大きいウェブサイトに、“世界に大きな衝撃を与えたテロ事件の首謀者”を賛美するような広告が掲載されている現状を見る限り、中国当局の情報統制は「社会の質を向上させる」ことよりも、「権力側にとって都合の悪い情報を集中的に排除する」ことに主眼が置かれていると解釈することができる。(編集担当:如月隼人)

