日本の本格的なラーメンに、フランス人はどのような反応を見せるのだろうか

写真拡大

欧州の日本ラーメン好きは、年明けにパリへ集まるはめになりそうだ。1月20日から25日までの6日間、パリ市内オペラ地区にあるレストラン・マセオ(Maceo)を会場に「パリ・ラーメンウィーク Zuzutto」が開かれる。出店は「ちばき屋」(支那そば)、博多一風堂(九州豚骨ラーメン)、「IKEMEN HOLLYWOOD」(創作つけ麺)、「ソラノイロ」(ベジタブルラーメン)、とら食堂(手打ち中華そば)の5店舗だ。

ちばき屋は東京都葛西にある店で、店主の千葉憲二さんは日本ラーメン協会の理事長を務める。博多一風堂はアジアや米国を中心に海外展開する、福岡を代表する全国規模の有名店だ。IKEMEN HOLLYWOODはカリフォルニアに店を構え、今年横浜のラーメン博物館内に逆輸入開店し、話題となった。ソラノイロは東京麹町にあり、ニンジンベースのスープや、麺、具などすべてに野菜を使った特製ベジソバが特徴的な店だ。ちなみに店主の宮崎千尋さんは、独立する以前、博多一風堂の河原成美さんの元で修行していたという。とら食堂は地鶏を数種類使った醤油ベースの中華そばで、福島県白河市からの参戦になる。

同実行委員会事務局によれば、6日間のイベント期間内は各店主が日替わりでラーメンを作り、1日のみ全店が顔をそろえる日が設けられる。フランスの食材を取り入れ、パリでしか食べられない限定の創作ラーメンが提供される。子供向けのチャイルドキッチンやラーメン・スタンプラリーのイベントも行われるなど、幅広い世代にアピールしていく。

ラーメンだけではなく、すしの「安春計(あすけ)」と焼き鳥「八兵衛」も出店し、「ラーメンに合う一品料理」をテーマに彩りを添える。両店とも福岡からの参加で、その他にいくつかの蔵元から日本酒も出品される。すし、焼き鳥とともにラーメンとのハーモニーが奏でられる予定だ。

ここ近年、特にロンドンやパリは、本格的な新規ラーメン屋の開業が相次ぐなど、ラーメン事情は大きく動いている。今回参加する博多一風堂も、近い将来の欧州進出をもくろんでいる。パリ・ラーメンウィークは経済産業省が主導するクールジャパン戦略事業の一環として費用が補助される。欧州でも特に日本へ関心が高いといわれているフランスで、ラーメンはさらに勢いに乗れるのか。パリ・ラーメンウィークの行方に注目だ。
(加藤亨延)