プリンターインクのリサイクル、やってますか?

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年賀状の準備、もう進めてますか?

ところで、年賀状というと、毎年気になるのが、プリンターインク費用だ。
プリンターメーカーが製造している純正品は高いため、大量に印刷する場合には、プリンターに合うよう独自に作られた非純正の「互換インク」や、「リサイクルインク」に心惹かれるときもある。
でも、「もし何か不具合があったら……」と考えると、結局、不安になって、毎度純正品を購入するという繰り返しだ。

とはいえ、家電量販店などに行くと、いまや純正品よりも互換インクの売り場面積のほうが大きい店もけっこうあるし、純正品と互換インク・リサイクルインクとの印刷の違いを具体的に提示したサンプルを見る限り、遜色ないように思うけど……。
実はトラブルの可能性に怯えすぎているだけなのだろうか。

もしかして、いま、一般的には互換インクのほうが売れているのだろうか。都内の家電量販店に聞いたところ、こんな回答があった。
「売り場は互換インクのほうが大きいですし、メーカーによる差があるとはいえ、互換インクで品質的にも問題ないはずなのですが、売れているのはやはり純正品のほうですね」

トラブルの問合せなどはないのだろうか。
「趣味で写真を撮る人などを除き、一般的には問題ないはずですが、メーカーによっては色の違いや劣化などが気になる方もいるようです。また、稀に『インクが目詰まりする』などのお問い合わせはあります。その場合は、プリンターのクリーニングなどをお勧めしております」
ちなみに、互換インクでトラブルが生じた場合、商品そのものの返品交換はできるが、プリンターなどに関しては、メーカー保障期間内でも無償修理を断られる可能性が高いと言う。

互換インクのトラブルは、「ごく稀に、たまたま不運で」巡り合う程度のものなのだろうか。
国民生活センターに聞いたところ、実際にあった互換インクに関する問い合わせ・相談の中から、以下の3つの事例を教えてくれた。

●2012年12月 ネット通販で互換性のあるプリンターのインクを購入。インクが出ないことを業者に報告したところ、テスト印刷とクリーニングを勧められた。テスト印刷では黒、ピンク、黄色が出たが、クリーニング後にはピンクしか出なくなった。業者にそれを報告してもクレームと思われないだろうか。

●2013年2月 お店で互換性のあるインクを購入。セットしたら、ガガーッと音がして、プリンターが動かなくなった。どこに連絡したら良いか。

●2012年8月 ネット通販で互換性のあるインクを購入。使用したら、目詰まりして、印刷機が壊れた。返金だけでは納得できない。
ちなみに、これらは近年の相談事例の代表的なものであり、他にもいろいろあるが、全体の件数等は公表していないと言う。

どうせならプリンターメーカーで、安定性の高いリサイクル品等を出してくれれば良いのにとも思うが……。あるプリンターメーカーの担当者はこんな見解を述べてくれた。
「互換インクやリサイクルインクに関しては、立場上お話しできませんが、プリンターメーカーでは、プリンターの性能を最大限に引き出すために、安定した品質の一番良いものとして、純正品を出しております。相性の良さで自信を持っているのが、純正品なんです」
もちろんメーカーや商品によっては、何の問題もなく使用できる互換インク・リサイクルインクが多々ある。これまで一度もトラブルに見舞われたことのない人も多いと思う。

純正品のお値段がもう少し安くなってくれたら……と思う部分も多々あるが、開発費や安定性・ブランド力など込みの価格なら仕方ないかと思い、結局、純正品を購入し続ける人も多いのだろう。
(田幸和歌子)