Xbox OneとPS4の新たなるエンターテインメント・バトルが幕を開ける
これらは今や単なるゲームマシンではなくなってきている。
Xbox OneとPlayStation 4(PS4)はまだ「ビデオゲーム機」の範疇に収まっているが、マイクロソフトとソニーはリビングルーム争奪に向けてこれらの次世代機を準備している。今後はより多くの武器を備え、より広い層をターゲットとしたホーム・エンターテインメントのスーパーマシンとなったものがこの戦いの覇者となるだろう。その座を獲得するのはこれまで通り、両者のどちらかになりそうだ。
Xbox One 対 PlayStation 4:ゲームを越えた戦い
今週PS4が発売となる(米国のみ)。マイクロソフトはXbox Oneの圧倒的なエンターテインメント機能の数々を紹介する、12分におよぶプレビュー・ビデオを新たに公開した。対するソニーはPS4を早期に購入すると同社のオンライン・メディア・サービスに追加購読料なしでアクセスでき、さらにいくつかのデジタル景品をもらえることをアピールした。
Xbox Oneは、ホーム・エンターテインメントの機能を売りにしている。最初に展開されたXbox Oneのコマーシャルが全くゲームと関係ない内容だったのも偶然ではない(NFLのパートナーシップに関するものだった)。マイクロソフトは強力なアプリのラインナップ(ESPN、Fox Now、FX Now、HBO Go)と共に、NetflixやHuluのようなストリーミング・サービスも発表した。ハードコアなゲーマーは、対戦ゲームのライブ・ストリーミングやその他のゲーム関連動画が閲覧できるTwitchやMachinimaアプリが入ったことに満足するだろう。もしそれだけでは物足りなかったとしても、Xbox OneはHDMI端子を備えているためケーブルテレビなどを楽しむこともできる。
それに比べるとPS4のストリーミング・アプリのラインアップはかなり貧弱だ。NetflixやHulu Plus、Amazon Instant Videoなどの標準的な機能に留まっており、マイクロソフトには及ばない。しかしPS4は十分なテレビ機能やモーションセンサーがバンドルされない代わりに、価格はXbox Oneよりも100ドル安い。今回PS4は「ゲーム機」として勝負しているということなのかもしれない。
マイクロソフトは初期の段階で、Kinectのようなカジュアル・ゲーマー向けの機能をバンドルするという失敗によってコア・ゲーマー層を逃してしまっている。ソニーはそのような失態で大多数のゲーマーを憤慨させることなく、カジュアルなリビングルーム・ユーザーとシリアスなゲーマーの両方をターゲットとしている。これは結局のところ巧妙な戦略であった。
相互作用
ゲーム機の創生期においては、アプリやテレビのオプション機能は重要でなかった。ゲーム機を選ぶ理由は友達がどれで遊んでいるか、またはどんなゲームソフトが揃っているか、といったブランド・ロイヤリティが全てであった。
ところが2013年にはNetflixが自社でテレビ番組を作り、エミー賞を獲るまでになった。最近では60%以上のユーザーが映画やテレビを見るためにゲーム機を使っており、ディスク・トレーは数週間も開かれないまま埃まみれになっているような状況だ。
2006年の時点では、カジュアルなモバイル・ゲームはまだ存在していなかった(iPhoneは2008年までサードパーティー製のアプリケーションを導入していなかった)。しかし今やモバイル・ゲームは132億ドルの産業である。バスの停留所で退屈していた人々をゲームの世界に引き寄せ、ビデオゲームの新たな可能性を見出した活気あふれるビジネスなのだ。
ゲームとそれ以外のデジタル・エンターテインメントはかつて別々の製品であったが、今は文化的にも密接に絡み合っている。ヒット小説が超大作映画を生み、それがまた多額の予算を投じたビデオゲームになる(順番が入れ替わる場合もある)といった具合だ。
もともとゲーマーではなかった人が小さなモバイルスクリーン上で「アングリーバード」に何百時間も費やすようになったのだから、彼らがそのうちテレビの前でゲームのコントローラーを手にするようになるかもしれないと想像することはできないだろうか。逆にハードコアなゲーマーは今後Hulu Plusセッションで休憩をとるようになるかもしれない。
PlayStation 4の発売が開始されたら、この新しい状況が今後どのように展開するかが分かってくるのだろう。
Taylor Hatmaker
[原文]