【中証視点】中国経済、債務リスクの解消が肝要
中国の経済リスクと今後の経済改革の方向性は今や、最も関心が高い話題ではないだろうか。中国経済は今、真にリスクに直面しているのか。債務危機や金融危機は発生するのか。今後の改革路線は?11月に開催予定の第18回中央委員会第3回全体会議ではどのような解決策が打ち出されるのか。これらの問題に対する答えが、中国経済の全体像そのものをとらえることに繋がる。30日付中国証券報が伝えた。
ここ2年あまり、中国経済の低迷を吹聴する動きはどんどん広まっており、「チャイナリスク」や「中国経済崩壊論」などの論調も絶えず聞こえてくる。リスクの面から見ると、中国の経済成長はここ2年間、鈍化傾向にあり、リスクも徐々に浮き彫りになっている。とりわけ、中国経済の成長率の水準そのものが低下しており、経済の構造調整による「産みの苦しみ」を味わっているとき、リスクはあちらこちらから湧き出てくる。現在の中国経済において、最も際立っているマクロ面のリスクは債務リスク、金融リスク、過剰な生産能力に起因するリスク、不動産のバルブ化に起因するリスクの4つである。この4大リスクはいずれも互いに密接に関係し、影響し合っている。
債務リスクは最も重要なマクロ面のリスクである。バランスシート(貸借対照表)の規模から見ると、政府債務残高の対GDP比は50%となっている。国際的な基準では60%が一般的な警戒ラインとされているため、中国の債務残高は依然制御可能な範囲で、世界の平均的な割合である80%を下回っており、更には先進国の平均である100%に比べても大幅に低い水準だ。
しかし、規模はそれほど大きくないものの、問題は債務返済が2013―2014年に集中しているということである。ここ2年、一部の地方政府では財政支出が財政収入を上回る状況が続き、返済圧力が高まっており、流動性リスクが発生する可能性さえ出てきている。資金の流動がストップすれば、工事期間が比較的長い大量のインフラ建設事業は尻切れトンボの状態となり、銀行は大量の貸付を行ったために不良債権残高が急激に増加する。中国銀行業監督管理委員会のデータによると、第2四半期、中国銀行業の不良債権(NPL)は130億元(約20億米ドル)増加し、7四半期連続で増加傾向にあり、不良債権率は満期を迎える地方政府の債務が増えるにつれ、より一層上昇すると見られる。
実体経済も同様に深刻な債務返済圧力に直面している。ここ2年、中国の実体経済の資産負債比率は高まっており、中国社会科学院金融所の研究レポートによると、2012年末時点で、非金融企業の債務残高はおよそ65兆元に上り、対GDP比は約125%に達し、先進国の企業債務の平均的な対GDP比率である50―70%を大幅に上回る水準となっている。資本集約型産業では過剰生産能力の問題が厳しく、その上、生産能力の過剰が深刻な産業ほど資産負債率は高い。2013年1―5月、大・中規模の鉄鋼企業86社の負債総額は既に3兆元を超えており、鉄鋼産業の負債比率は69.47%に達している。企業の負債の大半は銀行からの貸付であることから、金融部門のバランスシートの悪化に繋がると見られる。
これらの経済リスクに対処するにあたり、政府の重要任務は「デレバレッジ(レバレッジ解消)」「債務解消」「過剰な生産能力の消化」を推進し、経済の構造調整に力を入れることである。構造調整はリスクを引き起こした制度面の要因にも踏み込む必要がある。
金融の資源配分から見ると、中国における貸付資金の放出には終始構造的な矛盾が存在していた。政府主導プロジェクト、国有企業、大企業や従来産業に貸付が集中し、民間企業や中小企業、新興産業への貸付支援は不十分となっていた。とりわけ、近年、貸付資金は不動産分野と地方政府の投資プロジェクトに著しく偏っている。地方政府融資プラットフォームと不動産分野に対する貸付は、貸付全体の35%近くを占めており、実体経済では深刻なクラウディングアウトが発生し、民間の資金需要が市場から締め出されている。そのため、政府が先ず取り組むべきは、財政と金融資源の配分におけるミスマッチを解決することであり、新たな財政・税務体制と金融体制の改革を推進していく必要がある。(編集担当:陳建民)
