オークションで裁断本が広く流通!作家7人がスキャン代行業者を提訴
2.スキャン事業による権利侵害の重大性
スキャン事業者により大量に作成される電子ファイルは通常、複製防止処置等(いわゆるDRM)が施されておらず、誰もが自由に複製することが可能だ。そのため、電子ファイルは、友人らに転々と複製され拡散されたり、違法なインターネット上へのアップロードやファイル交換ソフト等により一気に拡散する危険性がある。
海賊版被害が深刻化する中、このようなファイルが、本来の私的複製では到底困難な規模で不特定多数の依頼者に提供される事態を、著作権者は到底看過できないとしている。
電子書籍市場はまさに成長途上にある。原告らの作品も、その承諾の下に、既刊本も含めて多くが電子書籍として販売されており、また、今後、さらに多くの作品が電子書籍化されることが想定されている。電子書籍のラインナップが急速に充実しつつある現在、書籍の電子ファイルが無許諾の事業者によりこのように無秩序に、そして大量に作成されることは、電子書籍の市場の形成を大きく阻害しかねないとしている。
現在、インターネット上で裁断本を買取・販売している事業者が多く存在し、またYahoo!オークションで「裁断済」等のキーワードで検索すると同時期に1338件もの出品があるなど(1件で数十冊なども多数)、裁断本が広く転々流通している状況がある。
流通の用途はスキャンの繰り返し以外には考えづらく、現実に、裁断本をまとめて落札し、短期間で再度オークションに出品する例も確認されている。現状は、「1冊の本が1つの電子ファイルに変わっただけ」とは到底いえないとのこと。
スキャン事業には、1 年ほどの短期間で膨大な数の事業者が参入するに至った。作品を生み出した関係者のあずかり知らないところで、創意と工夫の結実である書籍等のスキャンにより相当額の収益を上げていると考えられる。
このまま事態を放置すれば、無秩序な事業者の参入が進み、作家・出版社が書籍の収益から更なる新たな創作をおこなっていくという「創造のサイクル」が大きく害されてしまうので、速やかな対応が必要な状況にあるとしている。
このような経緯から、法的に現行のスキャン事業が著作権侵害にあたるものであることを裁判を通じて明らかにする必要があると考え、まずは特に悪質と考えられた2業者について訴えを提起するに至ったもの。本訴を通じて、あるべき電子書籍の流通とルールの姿について、議論と理解が進むことを願うとしている。
■書籍スキャン事業者2社を提訴(PDF)
■集英社
■ITライフハック
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