まさに極限のアウェイという状況下で行われた北朝鮮戦は、“ケンカ負け”だったね。君が代はブーイングでかき消され、日本の選手たちの目には、闘志よりも恐怖にも似た戸惑いが宿っていたように見えた。90分間を通じて相手の気迫に圧され、球際の勝負にことごとく敗れた。

この試合で、改めてベストメンバーと控え選手との差が大きいことが明らかになった。8点を奪って大勝したタジキスタン戦が間に挟まれて薄れてしまったが、その前のベトナム戦でもやはりサブ組中心で苦戦している。そうした相手と接戦になってしまうレベルだということだ。

その差を嘆いて問題定義するのも大事だけど、僕がこの試合でもっとも残念だったのは、これ以上ない最高のアウェイ戦で、しかも侮れない実力を持つ北朝鮮との試合に、なぜベストメンバーを出さなかったのか、ということだ。最終予選に向けたシミュレーションの舞台としてこれ以上ないものだったはずが、最終予選でおそらく組むことのないメンバー構成、そして中途半端なシステムで戦った。

ザッケローニ監督が何を考えているのか、甚だ疑問だ。なぜ伊野波が左サイドバックで、駒野が右なのか。長友の控えが駒野だとすれば、伊野波は右のバックアップとして試すべきではなかったか。ダブルボランチの失敗も2回目だ。選手には酷だが、次のチャンスはないんじゃないかな。

また、日本の弱点が露呈された試合でもあった。日本は放り込まれると弱い。高さとパワーのある北朝鮮の10番に、好き放題やられてしまった。日本の弱点はオーストラリアも韓国もよくわかっているだろう。振り返ればドイツW杯初戦の逆転負けも、ヒディンクによってその弱みにつけこまれたものだった。

さらに厳しい戦いが待つ最終予選を前に、ザッケローニ監督がどのようにリスクマネジメントしていくのか、厳しく見ていきたいと思う。