西大伍:4点

初出場でしたし、それでいきなり「3−4−3」だったので、やはりちょっと厳しかったな、という感じはしました。今季からは鹿島でプレーしていますが、その鹿島も不調にありますし、もう少し違う形やタイミングで使ってあげて欲しかったな、という気がしています。

5バック気味になってしまっていた、という部分で言うと、それはウイングバックの意識の問題だけではなく、前線や中盤のプレス力、ポゼッション力、そちらの方がむしろ大きいので、今回の場合には、そうなってしまっていたというのは、ウイングバックとしては、仕方ない部分もあったかなと思います。


遠藤保仁:6点

1回だけ低い位置でプレスを掛けられボールを奪われてしまったシーンがありましたが、全体的には安定したパフォーマンスだったと思います。「3−4−3」の時は、センターの前の位置に1枚選手が少ないという部分で、その状態でどう中央で起点を作るのか、また、どの位置でプレーしたら良いのか、それに悩んでいたという感じがしました。

しかし、「4−2−3−1」になってからは、本田がトップ下に入った事で中央にトライアングルが生まれ、また、4バックになった事で長谷部との役割分担も明確になりましたので、よりスムーズにプレーできていた印象でした。守備でも良いプレーを見せていましたし、ベテランここにあり、という感じでした。


長谷部誠:6点

今の日本代表が大崩れしないのは、結果としてザックジャパンになってからまだ負けが無いのは、この長谷部と遠藤の中盤の底が安定している、という事が大きいですよね。特に長谷部がいる事によって、周囲の選手を活かす、周囲の選手の足りていないところを補う、という部分が高まり、それが大きいように感じます。長谷部がいるから遠藤と本田を同時にセントラルで起用できる、という事があるように思います。

但し、内田もそうなんですが、長谷部も、かなり疲労が蓄積しているな、という感じが強くしていて、この試合では内田は完全休養していましたが、長谷部にもそれが必要なのではないかな、という気がしています。そういう意味では、今の日本代表というのは、中盤の底の2枚である遠藤と長谷部の代わりとなれるような選手がいない、それが大きな問題となりつつあるかな、という気がしますね。


伊野波雅彦:4点

前半は3バックの左CB、後半は4バックの右SB、でプレーしましたが、まずまず、無難なパフォーマンスだったかなと思います。但し、伊野波という選手を4年か5年ぐらい前からずっと見ていて思うのは、力強さが足りないな、という事ですね。競り合い、空中戦、その時の力強さですね。

今野や阿部のようにポジションの柔軟性があるというのは良い事なんですが、その2人と比べてどこが物足りないのかと言えば、やはり一番は球際の力強さだと思います。ポジショニングや判断力という事もそうなんですが、その前に球際の力強さ、それが守備を担う選手としては大いに物足りないと感じます。

どちらかと言えばカバーリングをする方のタイプであるとは言え、1対1での競り合いの強さが足りないと国際舞台では特に通用しないので、そこがもう少し強くならないと、代表クラスには後一歩、という感じがします。


栗原勇蔵:5点

中澤の後継者という意味では、今は栗原がその筆頭かなと思います。実際、空中戦の強さ、競り合いの強さ、というのは今でも国際舞台で通用するものがあると思いますので、後は経験さえ順調に積んで行ければ、2014年には主力のCBになれるかな、という気がします。3バックでも4バックでも起用できる、という部分も良いですね。