Priya Ganapati

(1)から続く

体内に埋め込むアンテナ


消費電力が小さい新しい無線技術は、人間の体内にモニタリング装置を埋め込み、血圧や代謝といった身体の計測値を継続的に観察することを可能にしている。しかし、そのような無線装置の実現には課題がある。例えば、人間の体内で作動する適切なアンテナの設計が必要だが、体内の脂肪、筋肉、皮膚組織などからなる体内は、無線信号にとって悪条件だ。

Cambridge社の体内アンテナ(上の画像)は、402〜405MHzという『MICS』(Medical Implant Communications Service)の周波数帯を使う。装置メーカーは、独自の統合チップやシステムオンチップ(SOC)と組み合わせて、ペースメーカーや神経刺激装置、飲み込み式の画像撮影診断システムなどに利用できる。

脳波コントロール

脳波を直接コンピューターへの指示に変えることは、ユーザー・インターフェース分野ではホットなテーマだ。

Cambridge社のシステムは現在患者一人当たり5000ドルだが、同社はさらに安くしようとしているという。

[同社の『P300』システムについての日本語版過去記事はこちら。ランダムな順序で素早く点滅する画像や文字の行列を表示し、患者が選択したい文字や画像に注目すると、脳の電気的活動に棘波(スパイク)が生じることで、その文字や画像が選択される仕組みという。身体のさまざまな部分を動かそうと意識を集中することで、ディスプレー上のカーソルを操作できるシステムも開発されている]

各健康機器のデータを統合表示


基本的なデジタル測定器から高性能の心拍・血圧モニターまで、健康関連機器やフィットネス機器は大量にある。しかし、そうした機器は多くが別々に機能しており、データの共有やパターンの識別を簡単に行なう方法が欠けている。

そこで、未来のバスルームを想像してほしい。健康関連機器同士がデータをやりとりし、情報は無線で1つの画面にストリーミングされる。これは、BluetoothのプロファイルHDP(Health Device Profile)と、IEEE(電気電子学会)が医療目的用に開発した個人健康データ(Personal Health Data)規格を使えば、容易に実現できる。

WIRED NEWS 原文(English)

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