今回の【ドラマの女王】は土曜9時『ザ・クイズショウ』(日本テレビ系)。『ヤッターマン』の大ヒットで気を良くした日テレが、ご褒美のようにニュース・ゼロでも頑張る(嵐)櫻井翔を主役に起用の土曜9時。櫻井の妹も日テレに就職するという話だし、一家そろって(日本テレビのある)汐留に骨を埋めようって気?タイミング良すぎ。同じジャニーズ横山裕(関ジャニ∞)から監禁されて問い詰められるシーンの為に“ゲキ痩せ”したという櫻井くん。痩せた理由は他にもあるのでは。


異例の大ヒット『ヤッターマン』の中であんまり笑顔を見せない櫻井翔。(マスクのせいもあるけど。)わざわざ『スラムドッグ$ミリオネア』の公開日に始まった『ザ・クイズショウ』は、なにからなにまでミリオネアのパクリ。“おもいっきりを終了させられた”みのは承知したのだろうか。

冒頭からわけわからないクイズ問答が始まる。
第1回の生け贄はロックバンドの解散後、一発屋となってしまった落ち目の歌手安藤(哀川翔)。彼は、作曲を手がけていた元バンドのリーダーを殺害している。

安藤が会ったこともない音楽学校の恩師(マーティー・フリードマン)を突然登場させたり、超個人的な質問をくりかえしては回答者を困らせる意地悪な司会者の主人公、神山悟(櫻井翔)。櫻井にしてはめずらしく善人じゃない。「笑ゥせぇるすまん」の喪黒福造みたいな不気味な雰囲気を出そうと必死だが、ただただ可愛いだけ。“中居くん”ぐらいふてぶてしくて調度いいのに。
ロックバンドのボーカルが、作詞・作曲を手がけて儲けを独り占めし=仲間割れ。というのは良く聞く話だが、今回は「歌う人」が「作る人」を恨むというめずらしいケース。先のチャゲアス、ミスチル、コブクロ、(いずれもデマか否か不明。)の解散報道を見ると、「現実の方が格差は厳しい。」というところか。

ナゾの司会者の神山には何がしかトラウマがあり、テレビプロデューサーの本間(横山裕・関ジャニ∞)に監禁されている。次週以降、それが明らかになるというストーリーはこび。それにしてもわかりにくいなあ。
傍若無人に振舞う、安藤役の哀川翔のうるさい声をほぼ1時間聞き続けるのは、まさに拷問。新人ADの高杉玲奈(松浦亜弥)・アヤヤと櫻井の会話もあとからとって付けたようで変。分かりにくい展開をわざわざ後からセリフ内で説明する、って「渡鬼」か!もう今後登場する『白い春』(フジテレビ系)とかけもちの大橋のぞみや、「恋空」(2008年TBS系)の水沢エレナ、案内人の篠井英介らにドラマを盛り上げてもらうしかない。

クイズ番組のシーンをドラマ中リアルに再現したつくりは思い切っている。なんか深夜ドラマっぽいつくりをしているなと思ったら、このドラマは以前、深夜に別のキャストで放送されていたという。キャストを豪華にしてゴールデンに昇格しためずらしいドラマ。でも深夜だからアリの冒険は決してゴールデン向きでは無い。ニセの字幕スーパーで「バンドリーダー殺しの犯人逮捕」を伝えるシーンがあったが、本当の大雨注意報の字幕スーパーと混同させた。
まぎらわしいつくりのドラマ『ザ・クイズショウ』をはなから“クイズ番組”だと思って見始めた人もいたのではないか。

そんな演出をしてまで、他局のクイズ・ミリオネアと映画『スラムドッグ$ミリオネア』を宣伝したいのか分からないが、今クールも『銭ゲバ』同様、まったく癒されない展開を予感させるこのドラマ。

深夜枠で成功した冒険が吉と出るか凶と出るか?
これからに期待である。

(編集部:クリスタルたまき)

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