――森さん自身が世界一になった決定的な要素は、何だと思いますか?

:よく聞かれる質問なんですが、それは審査員の方に聞かないと分からないです。でも、私がミス・ユニバースになって、参加者を審査する立場になった時に、明るくて元気、普通に気遣いができる、そして逆境に動じないっていうことが必要だと思ったので、もしかしたら、私の時の審査員の方々も、そういうものを求めていたのかなと思っています。自分の長所は、忍耐力だと思っています。じっと時を待つとか、辛いことにも耐えられる力、それは日本人だという文化的背景があったからこそできたことかなと思っています。実際、1年間ミス・ユニバースの仕事をしてきて、忍耐力は本当に必要なものでした。

――ミス・ユニバースとしての生活の中で、特に印象に残っている出来事は?

:本当の自分と、周りの皆様が考えている森理世のギャップがあまりに大きくて、一体いつになったら本当の自分を分かってもらえるんだろうと悩んだ時期がありましたね。でも、そこで何もできないですし、耳が痛くても傾けること以外できなかったので、ひたすら良いことも悪いこともじっと聞く。悲しいし、心も傷つくこともいっぱいありました。じっと耐えて、嫌なことも耳を塞がずに聞くことによって、自分がより強くなり、新しい自分も発見し、反省もできて、あの時期が無かったらきっと大人の段階を踏めなかったと思うので、今ではとても良い思い出だと思っています。

――その時期というのは?

:優勝して2、3カ月間ですね、最初の時期。

――日本で大騒ぎになりましたね。

:自分は昨日までは普通の人だったのに、どうしてこんなに騒がれて、好きなことを言われて、書かれて、評価されているんだろうと不思議でした。プロではなかったので、あの時の自分は、よく頑張ったなって思います。でも、それを乗り越えてから、ミス・ユニバースというものが何なのか本当に分かってきたし、自分の仕事が大好きって思える1年だったので、全く悔いはないですね。

――このインタビューで、これまでの森理世さんのイメージをガラッと変えることができればと思っています。

:はい、お願いします(笑)。

――素顔の森理世さんって、自分ではどんな人だと思いますか?

:平凡ですね、普通の人です。ほんとにそういう言葉しか思いつかないです。興味があることに積極的に取り組む、好奇心旺盛、元気、いつも笑いを求めている。それに自分のことよりも、人のことが気になってしまう性格です。他人が困ってたり、悲しんでたり、怒ってたりすると、世話焼きなんですけれど、気になってしょうがないんです。だから小学校の運動会とかは、いつも最後でした。いつも恥ずかしがり屋で、「どうぞ、どうぞ」って人を前にやってくうちに、気付いたら自分は最後。

――かけっことかですか?

:かけっこもいつもビリでしたね。小さい時はそういう子供だったんです、おとなしくて、空気が読める子供とも言われてましたけど(笑)。だから今は、もうちょっとテキパキしているし、女子高に通ったこともあって、幼少期からは変わって、思春期は男の子みたいにサバサバとしていました。本当に男らしいって言われてて。ミス・ユニバースだから、もう少しフェミニンだと周りの方は思うらしいんですけれど、一言喋りだすとサバサバしてると言われますね。

――ご兄弟はいらっしゃるんでしたっけ?

:はい、弟が一人います。

――小さい頃のお話が出たんですが、その頃からやっぱりモテました?

:男の子にモテた覚えはないですね。

――そうなんですか。

:本当に。女子校にも行ってたこともあって、同い年の男の子と喋ったことがあんまりなくて。例えば、ボランティア活動に行った時に、違う学校の男の子がいたりしても、話すと友達になっちゃうんですね。普通の思春期の女の子は、異性の男の子を意識してしまうところを、私は男らしいって言われてたし、喋り方もサバサバしてたので、女の子と意識されることがあまりなく、友達になってしまう。だから、モテたことは無いですね。