【セルジオ越後】北中米W杯で日本と同じラウンド32止まりのエクアドルにPK勝ち。本気で“世界一”を目ざすなら、少しくらいブーイングがあってもいい
勝ちは勝ちだけど、内容的には満足できないね。エクアドルは南米予選をアルゼンチンに次ぐ2位で突破して北中米ワールドカップに出場した。そういった力のあるチームとの対戦になると、日本は主導権を握れなくなる。守りの時間が長かったし、本来は攻撃面で違いを出せる堂安と中村が守備に追われていた。もったいなかったね。
それにしても、なぜ終盤に延長戦がないのに、最終ラインでゆっくりボールを回していたんだろうね。果敢に攻める選択をしてもよかったはずだ。PK戦を狙っているようにも見えたよ。90分で勝負を決めに行くエネルギーが感じられなかった。
正直、北中米W杯で自分たちと同じラウンド32止まりだったエクアドルを圧倒できなかったのは残念だね。日本はW杯で優勝すると公言している以上、ブラジルやアルゼンチンといった強豪にも、しっかり勝てるレベルにならないといけない。
だから、エクアドル戦後にスタジアムから少しくらいブーイングが聞こえてきてもいいと思うんだよね。スコアレスからのPK勝ちで満足しているようではダメだよ。W杯が終わってから、そこまで成長しているようには見えない。
今のままでは、世界との差は開くばかりだと思う。ヨーロッパ勢は今、ネーションズリーグという本気の大会でしのぎを削っている。一方で日本は、自分たちよりFIFAランキングが下のチームと親善試合を戦っている。もちろん強化の方法はいろいろあるけれど、世界一を目ざすのであれば、なぜ格上との試合を組まないのかという疑問は残るよ。
日本代表には期待している。でも、目の前の勝利だけではなく、W杯で勝つために何が必要なのかを考えれば、今のうちからもっと将来を見据えた準備をしていかないといけないね。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、81歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
【写真】エクアドル代表DFとユニホーム交換をする久保建英

