モンゴル

写真拡大

2026年10月1日、中国メディア・観察者網は、モンゴルが対中貿易に大きく依存する一方で、主要国際空港の拡張事業を日本に委ねた背景について報じた。

記事は、高市早苗首相とモンゴルのオチラル首相が9月29日に会談し、チンギス・ハン国際空港の拡張事業に関する円借款の調印を行ったと紹介。日本が約1582億円を金利年1.1%、返済期間40年(据置期間10年)で貸し付け、調達先を日本に限定する「タイド援助」条件が付いていると伝えた。

その上で、同空港は日本の政府開発援助(ODA)で建設されて2021年に開港し、三菱商事や成田国際空港など日本企業4社がモンゴル側と共同で運営権を握っていると説明。今回の拡張によって旅客処理能力は現在の約3倍となる年間520万人に達する見通しであり、日本は資金調達から建設、運営、拡張に至るまで、同国の「空の玄関」に10年以上にわたり関与し続けているとした。

一方で、モンゴルの25年の対中貿易額は全体の69.2%を占めており、輸出も石炭や銅といった鉱物資源に大きく偏っていると指摘。中ロに挟まれた内陸国であるモンゴルにとって資源の主な輸出先は物理的に中国にならざるを得ず、日本がその代替になることはあり得ないと論じた。

記事は背景について、モンゴルには中ロ以外の国との関係を強化する「第三の隣国」外交の姿勢が存在すると分析。高市首相もオチラル首相との会談で日本をモンゴルにとって「最も重要な第三の隣国」と位置づけ、自律性の強化を支援する姿勢を示したほか、両国がエネルギーや人工知能(AI)、防衛装備品の移転など幅広い分野で連携を深めていると伝えている。

記事は、こうしたモンゴルの動きが単純な「中国離れ」ではなく、経済面で中国への依存が深まるほど他分野で多様なパートナーを求めるという現実的な構造であると考察。日本による投資は単なるインフラ整備にとどまらず、中ロの狭間でモンゴルが自らのために補強し続ける「第三の扉」のような意味合いを持つと結論づけた。(編集・翻訳/川尻)