100億円級の争奪戦は不可避の情勢 鈴木誠也に迫るFAの時 “MLB水準の右打者”となった32歳に下る米球界内の「リアルな評価」とは?

カブスとの契約を全うして迎えるオフ。鈴木の去就は大きな注目を集めている(C)Getty Images
今オフの争奪戦は必至の情勢だ。このオフにカブスとの5年総額8500万ドル(約100億3000万円=当時のレート)の契約が満了となる鈴木誠也だ。
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広島時代を通じてキャリア初のFAイヤーで、鈴木は“結果”を残した。3月のWBCで右膝後十字じん帯軽度損傷による負傷者リスト入りで出遅れたが、開幕13試合目で戦列復帰を果たすと、大きな浮き沈みもなく安定した打撃を披露。出場143試合で打率.270、4年連続20発となる26本塁打、86打点、出塁率.368、長打率.473、OPS.841とハイアベレージを叩き出した。
カブスは、現地時間9月30日に行われたワイルドカードシリーズ第2戦で、パドレスに1-4と完敗。無念のシーズン終了となった。当然、FAとなる鈴木の去就に関心が高まる中、当人は地元局『Marquee Sports Network』などの取材に「負けるって言うのは悔しい」と心境を打ち明けた上で、「(シカゴでの)思い出を語りだしたら3時間ぐらいかかりますけど、いいですか?」とポツリ。そして、自身の今後について、こう切り出している。
「初めてアメリカに来たのもカブスがあって、素晴らしいチームメイトやスタッフ、本当にいろんな人がサポートしてくれたからここで戦えているというのはある。家族もシカゴが凄く大好きです。ただ、僕はFAが初めてになる。どういう動きで、どういう話し合いで進んでいくかが全く想像つかない。でも、やっぱりこの球団に思い入れはあるので…。どう進もうが、自分のやるべきことをやりたい」
ここからは鈴木にとっても“未知の日々”が来る。ただ、安定した打撃成績に加え、守備指標でも向上を見せている背景から市場における関心は高まっている。32歳という年齢は、少なからず障壁になる可能性を否定はできないが、複数球団が獲得に動くのは確実視されている。
実際、早くも「セイヤ・スズキ」の名は米メディアを賑わせてもいる。スポーツ専門局『CBS Sports』は、同じく今オフにFAとなるイアン・ハップと鈴木を比較し、「カブスが両選手を残留させる可能性は低い」と一刀両断。その上で「スズキの方が優れた選手であることは明らかだ。しかし、それは同時に、カブスが彼の残留を巡ってより厳しい競争に直面することを意味する」と指摘。
さらに米誌『Sports Illustrated』も「スズキは今オフのカブスにとって間違いなく最優先に契約をまとめるべき選手である」と強調。カブスにおける重要性を論じながらも、不可避と見られる争奪戦の行方を予想している。
「だが、今シーズンのFA市場は打者の層が薄く、カブスが諦めざるを得ないようなオファーが舞い込む可能性もある。球団関係者はそうならないことを願っているが、ドジャースのような資金力を持つ球団が、カブスが太刀打ちできないような高額な契約を提示して、スズキの獲得競争から締め出す展開も十分にあり得る」
自身の理想とする条件として、前出のインタビューで「家族が安心して住めるところが一番いい」と語った鈴木。果たして、32歳のスラッガーはキャリアの岐路となるオフでいかなる決断を下すだろうか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

