23年のW杯に向け、色紙に「守」としたためていたディアンズ

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 27年ラグビーW杯のオーストラリア大会開幕まで、1日で1年を迎えた。史上初の4強進出を目指す日本代表で主将のロック、ワーナー・ディアンズ(24)がスポーツ報知のインタビューに応じ、リーチ・マイケル(37)=ともにBL東京=から受け継いだキャプテンとしての決意を語った。同じニュージーランド出身のレジェンドの魂を継承し、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(66、HC)と新たな歴史を刻む。(取材・構成 大谷翔太)

 2大会連続出場を目指すW杯開幕まで1年。普段寡黙なディアンズは、少し前のめりに胸中を語った。

 「すごく楽しみにしています。あと1年、すごくワクワクした気持ちです」

 ジョーンズHCの下、25年8月に戦後最年少の23歳で主将に抜てきされた。23年W杯までは、同郷の偉大な先輩が背負ってきた重責だ。

 「日本代表のキャプテンと言ったら、リーチさん。15年(W杯)からやってきている。リーチさんは、グラウンドで一番チームをリードする選手なので。リーチさんは『ビッグブラザー』って感じですね」

 主将には、4大会連続W杯出場のリーチが推薦。「エディーに言っといたよ」と言葉をかけられた。互いに多くは語らない性格。ただ37歳の秘める思いを、時に感じることもある。

 「昨年のオーストラリア戦(10月、15●19)前の合宿の時に、数人で集まって。リーチさんは『絶対に、ワラビーズに勝てるチャンスがある』と、自信を持って言っていた。自分たちには世界で戦えるフィジカルとスキルがあると、自信とパッションを持って伝えてくれる。リーチさんはそうやってチームをリードしていると、気がつきました」

 思い返せば、母国開催だった11年W杯。現地観戦した日本-NZ戦(7●83)にリーチがいた。当時9歳のディアンズは驚いた。

 「リーチさんと数人、外国人の日本代表がいてビックリした。父からは『オールブラックスにもNZ生まれ以外の選手もいるよ』と言われた記憶があります」

 14歳で来日し、高校を卒業してプロ入り。W杯に出場し、昨季は南半球最高峰のスーパーラグビー・パシフィック(SR)も経験した。201センチ、運動量豊富な24歳がハリケーンズのリーグ優勝に貢献。ラグビー王国も黙っていなかった。

 「チームメートから『オールブラックス、考えたことある?』『残ってプレーするのも選択肢なの?』と。ちょっと誘われたというか。残ったらどう?という感じでした」

 幼い頃は憧れた漆黒の軍団からの“スカウト”されるほどの力をみせた。ただディアンズは「日本でチャンスをもらった」と、揺るがなかった。そして更なる成長の為にも、NZに残る選択肢はなかった。

 「SRは、人生で1回経験したいなと思っていた。2年目となると、自分のキャリアにとってチャレンジではない。やっていて楽しいから行っているだけになるかなと思う。違う所(国)、違う環境や相手にチャレンジしたいです」

 迫る2度目のW杯。37歳のリーチにとっては最後かもしれない。ディアンズは、ほほ笑みながら言った。

 「リーチさんは、前のW杯の時も『次は行かないよ』と言っていたから(笑)。リーチさんが終わりと言ってもまだやれると思っているけど、最後になるかもしれないと考えれば、一緒にできていることが嬉しいです。日本ラグビーのレジェンドと一緒にラグビーが出来て、楽しい。今季も、リーチさんのパフォーマンスが楽しみです」

 桜のエンブレムに込められた想いの継承へ、ディアンズは決意を語った。

 「目標はトップ8、トップ4。できるだけ長く試合をしたい。勝ち進んでいきたいと思います」

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 初めてディアンズをインタビューした23年W杯前から3年がたった。わずか3年で、すっかり日本ラグビー界の顔の1人になった。私生活でも、25年に結婚して長男の輝恩(きおん)くんが誕生。前回、色紙に書いてもらった好きな言葉「守」には、新たな意味が加わったという。「『守』は、ずっと好きです。家族も増えたから、守らないといけない人もいますし」。言葉に重みも増した。

 「ビッグブラザー」と慕うリーチは、この秋にも前人未到の代表100キャップを達成しようとしている。ディアンズは現在37。20代で“レジェンド超え”しても、おかしくはない。いずれは、日本国籍の取得も考えているという。まずは27年W杯、新旧キャプテンで歴史を塗り替える姿を見たい。(大谷 翔太)

 ◇ラグビーW杯オーストラリア大会 4年に1度の世界一決定戦で、オーストラリアはニュージーランドと共催した1987年の第1回、2003年の第5回に続き3度目の開催。来年10月1日に開幕し、11月13日の決勝まで8会場で計52試合が行われる。参加チームは20から過去最多の24に増え、1次リーグは6組に分かれて実施。各組2位までと、3位の成績上位4チームの計16チームが決勝トーナメントに進む。