財務規則違反の疑惑で揺れるシティ。訴追された115件のうち、114件で違反を認定されたと報道された。(C)Getty Images

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 マンチェスター・シティは、プレミアリーグの財務規則違反として訴追された当初の115件のうち、114件で違反を認定された--。

 9月25日、スポーツメディア『ジ・アスレティック』がそう報じた。英紙『タイムズ』も、ほぼすべての項目で違反が認定されたと伝えている。ただ、独立委員会の判断全文は公表されておらず、処分も決まっていない。シティ側は潔白を主張し、手続きは続いているとしている。

 では、何をめぐる争いなのか。

 焦点は、シティがプレミアリーグへ提出した収入と支出の数字が、実際のお金の流れを正しく表わしていたかどうかにある。リーグは2009-10シーズンから2017-18シーズンにかけて、スポンサー収入などの財務情報を正確に提出しなかったとしてシティを訴追した。当時の監督や選手への報酬を十分に開示しなかったことも、訴追項目に含まれている。

 クラブの収入は、「選手の獲得」や「報酬」に使える金額にも関わる。プレミアリーグが3年間の損失額に上限を設けたのは2013-14シーズンからだが、正確な財務情報の提出はそれ以前から求めていた。リーグがクラブの財務状況を判断するには、金額とともに、そのお金を誰が出し、誰に支払ったかが重要になる。

 英メディアが報じてきた具体例には、2つの疑問がある。1つは、スポンサー料は誰が負担したのか。もう1つは、監督報酬をリーグにすべて報告していたのか。この2点だ。

 2018年、独誌『デア・シュピーゲル』がシティの内部メールを公表し、プレミアリーグは同年12月に調査を始めた。その流出メールの1つが、アブダビの投資会社アーバー・インベストメンツとのスポンサー契約をめぐる2010年のメールだ。
 
 英紙『デーリー・テレグラフ』も取り上げたこのメールによると、契約額は年間1500万ポンド(約31億5000万円)。ところが、シティの取締役サイモン・ピアースは、アーバーが直接負担するのは年間300万ポンド(約6億3000万円)で、残る1200万ポンド(約25億2000万円)は「殿下が用意する別の資金源」から支払われると書いたとされている。

「殿下」は、当時の報道でシティの実質的なオーナー、シェイク・マンスールを指すと解釈されたが、後にピアース取締役は、別のアブダビ王族を指すと証言している。

 通常、スポンサー料は企業が広告や宣伝の対価としてクラブに支払う。契約額だけを見れば、シティはアーバーから年間1500万ポンドを得たように映る。だが、メールに記されたとおりに支払いが行なわれたなら、契約額の8割はアーバーが直接負担していないことになる。