スペイン戦でPKを外したケイン photo/Getty Images

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イングランド代表がスペイン代表に2-3で敗れ、トーマス・トゥヘルが抱える課題が改めて浮き彫りとなった。攻撃ではスピードと勢いを見せた一方、守備ではミスが相次ぎ、世界王者を相手に最後まで主導権を握ることができなかった。『THE Sun』が報じている。

試合を決めたのは、途中出場のMFミケル・オヤルサバル。EURO2024決勝でもイングランドから決勝ゴールを奪った男が、今回もイングランドの前に立ちはだかった。

スペインは開始わずか106秒で先制。FWラミン・ヤマルがマーク・グエイのボールを奪うと、そのまま右ポストに当ててゴールへ流し込んだ。イングランドはその後も守備が安定せず、前半だけでさらに何度も決定機を許した。

FWフェラン・トーレスはオフサイドでゴールを取り消された後、ヤマルからのパスを受けて再び決定機を迎えたが、GKジェームズ・トラッフォードが好ブロック。さらにMFロドリからのパスを受けたトーレスが抜け出した場面では、シュートがわずかに枠を外れた。

MFダニ・オルモもヤマルの見事なヒールパスからシュートを放ったが、ボールは枠外へ。しかし、その直後にイングランドが反撃する。

FWニコ・ウィリアムズがMFエリオット・アンダーソンにボールを奪われると、MFはジュード・ベリンガムが前線へ持ち運び、FWアンソニー・ゴードンへパス。ゴードンはワンタッチでシュートを放ち、GKウナイ・シモンの股下を抜いて同点に追いついた。

さらにイングランドは前半終了間際、FKハリー・ケインのゴールで逆転に成功する。DFニコ・オライリーのクロスをケインが頭で合わせ、DFマルク・ククレジャの体に当たったボールがゴールへ吸い込まれた。

2-1とリードして前半を終えたものの、内容を考えればイングランドが優勢だったわけではない。スペインに決定機を何度も与えながら、幸運にもリードを奪った形だった。

後半にはさらに大きなチャンスが訪れる。VARの介入によってロドリがベリンガムを倒したとしてイングランドにPKが与えられたが、ケインのシュートはクロスバーを直撃。2022年ワールドカップ準々決勝のフランス戦でもPKを失敗したケインにとって、再び痛恨のミスとなった。

そして、その後もイングランドの守備は改善されなかった。

途中出場したMFアレックス・バエナは、ピッチに入ってわずか5分でトラッフォードの牙城を破り、2-2の同点に追いつく。さらにバエナはオヤルサバルへパスを送り、完全にフリーとなっていたオヤルサバルが前に出てきたトラッフォードの頭上を越すシュートを決めた。

イングランドは終盤にベリンガムがシモンに好セーブを強いるなど、3-3に追いつく可能性も残していた。しかし、スペインのゴールを防ぐための守備を最後まで見せることはできなかった。

この試合ではグエイ、アンダーソン、オライリーらが守備面でミスを犯した。特にオライリーは失点につながるボールロストも記録している。

トゥヘルが起用した先発メンバーは平均年齢25歳と6日という若いチームだったが、基本的なミスが続いたことを年齢だけで説明することはできない。

イングランドはワールドカップ予選を無失点で突破したものの、それだけで守備が強固だとは言い切れない。フランスとのワールドカップ3位決定戦を迎えるまでにも8失点を喫しており、EURO2028に向けてトゥヘルが解決すべき問題は残されている。

GKについても、トゥヘルはGKジョーダン・ピックフォードだけに頼るのではなく、トラッフォードに2試合の機会を与えている。今回がトラッフォードにとって3度目の代表戦となり、次はチェコ代表戦にも出場する予定だ。

トラッフォードは重要なセーブを一度見せたものの、前半から味方の守備に何度もさらされることになった。GKだけでは解決できない問題が、イングランドの守備には存在している。

攻撃面では、ゴードンやケインらが得点を奪い、スペイン相手にも十分なスピードと突破力を見せた。しかし、ボールを保持して試合を落ち着かせることができず、守備では危険なミスを繰り返した。

この試合は、現在のイングランドが抱える問題を象徴している。勇気や闘争心はあるが、世界最高クラスの相手を前にしたとき、ボールを保持して主導権を握ることも、守備を安定させることもできなかった。

トゥヘルは今後、イングランド代表を「カオスを受け入れる」方向へ導く必要があるのかもしれない。だが、スペインのような相手と戦うには、勢いだけでは足りない。

EURO2028を見据えるトゥヘルにとって、今回の敗戦は単なる1試合の黒星ではない。攻撃力を生かしながら、どうすれば守備のミスを減らし、強豪国との試合をコントロールできるのか。イングランドには、まだ解決すべき課題が残されている。