男子マラソンで金メダルに輝いた山下=永井秀典撮影

写真拡大 (全2枚)

 愛知・名古屋アジア競技大会(読売新聞社協賛)の陸上は26日、マラソンの男子で山下一貴(いちたか)(三菱重工)が2時間10分49秒で優勝。

 女子は矢田みくに(エディオン)が2時間27分56秒で3位だった。男子400メートルで中島佑気ジョセフ(富士通)が45秒22で3位。女子1500メートルで田中希実(豊田自動織機)は4分6秒14で3位だった。

姿勢改善、脚つらずフィニッシュ

 優勝のゴールテープを切ってようやく、駅伝ファンには駒大時代からおなじみの「イチタカスマイル」がはじけた。リードを十分築いても最後まで気を引き締めたのは、「あそこ(ゴール前)でつるかもしれませんから」。栄冠へ続く42・195キロは、山下にとってトラウマとの戦いだった。

 マラソン代表デビューを果たした3年前の世界選手権ブダペスト大会。入賞争いを演じていた残り2キロで両脚がつって立ち止まり、結果は11位に終わった。今年2月の大阪マラソンも脚をつって失速。繰り返される症状に悩まされてきた。

 この日も「10キロ過ぎからずっと『つらないといいな』と思っていた」。ただ、対策は練った。レース序盤から、終始視線を下げていたのは苦しかったわけではない。過度に前傾しがちな骨盤を立てるため、トレーナーの助言を忠実に守ったからだ。結果として脚への負担が減り、つる症状は「全く出なかった」。

 集団を3人に絞った31キロ過ぎの上り坂に続き、一騎打ちとなったインド選手を突き放した35キロ過ぎでも自信を持ってペースアップ。チームの先輩・井上大仁(ひろと)以来となる、男子マラソン日本勢2大会ぶりの金メダルを勝ち取った。

 ブダペスト大会後は右太もも裏の張りが約1年続いて低迷したが、万全となった今は「走るのが楽しい」と喜びをかみ締める。心身ともにトンネルを抜けた29歳が、ロサンゼルス五輪代表争いの有力候補に名乗りを上げた。(西口大地)

22キロ付近で転倒するも矢田「銅」

 女子マラソンの矢田は、日本勢2大会ぶりの表彰台となる銅メダル。22キロ付近で転倒するアクシデントがあったが、すぐさま起き上がって集団に追いつくと、終盤に先頭を引っ張るなど積極性が光った。1月の大阪国際女子で、日本歴代6位で初マラソン日本最高となる2時間19分57秒をマーク。進化を続ける26歳は「悔いのないレースができた。五輪への第一歩として臨めた」と笑みを浮かべた。