大谷翔平(C)ロイター/Imagn Images

写真拡大 (全2枚)

「ロバーツ監督によれば、左膝と右腕の故障で負傷者リスト(IL)入りしていた大谷翔平(32)が打撃練習を始めたのは日本時間16日。バットを振り始めてまだ10日足らずです。レギュラーシーズンは残り5試合。あくまでも大谷の状態次第ですけど、ドジャースの首脳陣は少しでも多く打席に立たせ、一日でも早くメジャーの投手に適応させたいと考えています」

【もっと読む】阪神・佐藤輝明のドジャース入りに暗雲か? 大谷翔平が思わぬ“遠因”になる可能性

 こう言うのは現地特派員のひとり。日本時間24日のパドレス戦に「2番・DH」でスタメン復帰する大谷に関してだ。

 とはいえ、プレーオフが始まる10月までにベストの状態に戻る保証はどこにもない。なにしろ、大谷がグラウンドでの練習に姿を見せたのは20日のジャイアンツ戦の試合前だけ。7分程度の間に計5本のベースランニングを消化した。

「帽子を飛ばしたシーンまであったから全力疾走だったのは間違いない。ゼー、ゼー、ハァ、ハァ、言いながら走っていましたしね。痛めている左膝の影響はほとんど感じさせなかった」とは前出の特派員。

 このベースランニング以外はすべて室内での調整だった。ロバーツ監督が「コーチの投げた球を打った」「ILに入ったときを5とすれば、おそらくいまは8か9だろう」などと話しても、実際にどの程度まで回復しているかとなると定かではない。

 大谷が最後に打席に立ったのは今月8日のレッズ戦。このときは3打数無安打2三振だった。

「何より1打席目の左飛が典型でした。明らかな手打ち。まったく下半身を使えず、しかもフルスイングしていない。というより、できなかったのでしょう。状態が良ければ確実にスタンドインしていた当たりが、アンツーカー手前の芝生あたりで捕球されていましたから。バットをしっかり振れないほど深刻だった状態が、たかだか2週間程度で改善するとは思えないのです」(前出の特派員)

 仮に大谷の調子が戻らなくても、ビクともしないだけの強さを、いまのドジャースは発揮している。

 大谷が欠場した9日以降の13試合は10勝3敗。大谷の代わりにDHに入っているデポーラ(21)は23日も2安打するなど打率.323。精彩を欠いていたベッツ(33)は最近7試合、打率.393、2本塁打、6打点。タッカー(29)は同じく7試合、打率.409、2本塁打、4打点。大谷の代役を務めるルーキーが気を吐けば、それまでパッとしなかった主力は大谷の穴を埋めて余りある活躍をしている。

「大谷はベンチにいるだけでも価値がある」

 プレーオフも一時はワイルドカードシリーズからスタートの可能性があったものの、ひとつ上のステージである地区シリーズに駒を進めることがほぼ確実に。いまは中地区優勝のブルワーズとリーグ最高勝率を争う位置にいる。投手陣にしても佐々木朗希(24)が、昨年に続いてリリーフに回ることによって、救援不安という最大の懸案事項が解消された。

「ドジャースの今季最大の目標はワールドシリーズ3連覇です。大谷の打撃が復調しなければ、ポストシーズンのスタメン起用は見送られる可能性が出てきます。ただし、どんなに調子が悪くても、最後のワールドシリーズまでロースターから外すことはしないでしょう」

 と、別の特派員がこう続ける。

「一発のある大谷をベンチに置くだけで、相手チームにはプレッシャーを与えられる上、商売上の効果も見逃せない。大谷がいるだけで、ドジャースのスポンサーや本拠地の観客動員数に大きな効果があるのです。投げられないうえに、打撃の調子が上がらなかったとしても、走れることはすでに証明されていますからね。ポストシーズンは長打が欲しい場面での代打だけでなく、代走での出場まであるかもしれません。打者専念の一昨年はリーグ2位の59盗塁をマークしたように、大谷の走力は相手チームにとっても脅威でしょうから」

 ワールドシリーズを勝つためなら、昨年まで3年連続4度MVPを獲得している大谷に対してだろうと容赦ないのがドジャースのスタンス。大谷にとってはレギュラーシーズンの残り4試合が勝負だし、そこで結果を残さない限りポストシーズンは「代走要員」に甘んじる可能性も出てくるというのだ。

  ◇  ◇  ◇

 ところでドジャースといえば、阪神・佐藤輝明の移籍がウサワされていたが、立ち消えになりそうな雲行きだ。いったいなぜか。●関連記事 【もっと読む】阪神・佐藤輝明のドジャース入りに暗雲か? 大谷翔平が思わぬ“遠因”になる可能性 では、それらについて詳しく報じている。