「無料査定だけ」のつもりで買取業者を自宅へ呼んだ80代の母。勧められるまま結婚指輪を「5万円」で売ってしまい、翌日に「やっぱり返してほしい」と後悔…。一度売った指輪でも取り戻せるのでしょうか?

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近年、高齢者が訪問購入をめぐるトラブルに巻き込まれるケースがみられます。「提示された金額に納得いかない」「騙されたかもしれない」と感じたとき、損をせずに手放した資産を取り戻す方法はあるのでしょうか。   本記事では、訪問購入で起こりやすいトラブルの事例や注意点を確認するとともに、大切な品物や資産を守るための具体的な対策について分かりやすく解説します。

出張買取で売った指輪は取り戻せる?

訪問購入(出張買取)によって自宅で買い取られてしまった結婚指輪などの貴金属は、条件を満たしていれば契約を解除し、品物を取り戻すことが可能です。
特定商取引法では、事業者が自宅などを訪問して買い取りを行う「訪問購入」に対してクーリング・オフ制度を定めています。契約書面などを受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は理由を問わず無条件で契約の解除が可能です。
クーリング・オフ期間内であれば、売却した品物の返還を求める権利があります。また、この期間中は買い取り業者に対して品物の引き渡しを拒否する「引渡し拒絶権」も認められています。売却代金として受け取った5万円を返還することで、手放してしまった指輪を引き換える形で取り戻せるのです。
ただし、消費者が自ら店舗へ出向いて売却した場合や、引っ越しなどに伴い自ら請求した不用品の売却(一定の例外を除く)などはクーリング・オフの対象外となるケースもあります。ご自身の取引が対象になるかをしっかりと確認することが重要です。

訪問購入(押し買い)で注意したい査定・買取をめぐるトラブル

訪問購入では、今回のように、シニア層がトラブルに巻き込まれるケースも見られます。例えば、「不用品を査定します」「着物や着なくなった服を買い取ります」などと電話をかけ、自宅を訪問するきっかけを作るケースです。
その後、当初の話にはなかった金やプラチナなどの貴金属について売却を求められ、十分に検討できないまま買い取りに応じてしまう場合もあるため注意が必要です。
その際、市場の金相場であれば20万円前後の価値がある金の指輪であっても、「傷がある」「古いデザインだから価値が低い」などと理由をつけられ、相場を大きく下回る価格で買い取られてしまうといったケースもあります。
貴金属などの相場に詳しくない場合、提示された査定額が適正かどうかをその場で判断するのは難しいこともあります。すぐに売却を決めず、必要に応じて家族に相談したり、複数の事業者から査定を受けたりすることも大切です。

クーリング・オフの通知方法は? 書面やメールなどで記録を残そう

クーリング・オフを行う場合は、書面または電磁的記録(メールやWebフォームなど)で事業者へ通知します。後から通知したことを確認できるよう、送付した書面のコピーやメールの送信記録などを保存しておくとよいでしょう。
ハガキなどの書面で送付する場合、記載すべき主な内容は次の通りです。

(1)契約年月日
(2)担当者名(買取業者名)
(3)品名(例:金の結婚指輪)
(4)買取金額(例:5万円)
(5)「この契約を解除し、買い取られた品物の返還を求めます」という旨の文面
(6)通知書を作成した日付と自分の氏名・住所

作成したハガキは両面をコピーして手元に保管し、郵便局の窓口から「特定記録郵便」または「簡易書留」で送付するようにしましょう。発信した日付の証明が残るため、後から期間内に通知したかどうかで揉めるトラブルを防げます。

大切な資産を守るために家族ができる対応策

高齢の親が1人で自宅にいる時間帯を狙った買取トラブルを防ぐためには、ご家族による日頃の見守りと事前対策が欠かせません。まず、「見知らぬ業者を絶対に自宅へ上げない」「不用品買取の電話がかかってきても取り合わない」といったルールを家庭内で共有しておきましょう。
もし査定を依頼する場合でも、必ず家族が同席できる日時を選び、1人で判断させない環境を整えることが大切です。
訪問購入では、原則として契約書面などを受け取った日から8日以内であれば、クーリング・オフができる場合があります。売却後に疑問や不安を感じた場合は、対象となる取引かどうかを確認し、早めに消費生活センターなどへ相談しましょう。大切な品物や資産を守るためにも、制度を知っておくことが重要です。
 

出典

独立行政法人国民生活センター 消費者トラブル解決ナビ 【訪問買取】売却を希望していない貴金属等を買い取られた。解約したい。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー