なぜくら寿司は「二択を間違え続けた」のか…?【ちいかわコラボ騒動】不正従業員やメルカリ以上に炎上してしまった理由

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「事後処理のグダグダ」不正より問題に?

回転寿司チェーン「くら寿司」が、大人気キャラクター『ちいかわ』とのコラボキャンペーンを中止してすでに2週間が経過した。

当初、同社はキャンペーンとして、ちいかわとのコラボメニューや、ゲーム「ビッくらポン!」に関するオリジナル景品を展開。第1弾(8月21日~)ではオリジナルフィギュアや缶バッジを、第2弾(9月4日~)ではオリジナルの湯呑みを配布。今月30日までの開催を予定していた。

ところがすでに報じられている通り、各景品がフリマアプリ「メルカリ」に大量出品されていることが発覚。同社が調査を進めた結果、従業員が景品を横領していた事実が判明したことで9月5日、同月6日よりキャンペーンの中止を発表するに至っている。

前代未聞のコラボ中止--。当然、『ちいかわ』のファンはもとより、キャンペーンを楽しみにしていた客たちからは怒りの声が飛び交った。何せ予約をして来店しても1時間待たされるのはザラ、数時間待ってようやく入店できたのは午前0時過ぎというケースもあったほか、1万円以上食事をして「ビッくらポン!」をしても、お目当てのグッズを手に入れられなかったという人もいたほどだ。

ところで今回の騒動、一番の原因は不正行為を行った従業員なわけだが、XなどSNSを見る限り、怒りの矛先の中心はむしろ別に向かっている。フードビジネスコンサルタントの永田雅乙氏はこう指摘する。

「キャンペーン“開始前”から景品の出品を許してしまったメルカリもそうですが、それ以上に槍玉に挙がっているのが、騒動発覚後のくら寿司の、“グダグダ”とも言える事後処理の杜撰さではないでしょうか」

まさに火に油…景品を無料配布した店舗まで

まず9月2日、くら寿司の初動として、キャンペーン第1弾の景品に関して〈「ちいかわ」コラボ施策に関する一部 SNS 投稿について〉という声明を公表した。

ここでは、〈当社では社内規定に基づき、景品の管理におきましては、原則、鍵付き倉庫内での保管とし、複数名での開封・補充および担当者を明確化するなど厳正な管理を行っており、不適正な取り扱い・取得は一切容認しておりません。〉とした上で、続けて〈また、併せてグッズの提供数と在庫数の照合・管理体制など、管理ルールのさらなる厳格化に努めてまいります。〉としている。

この時点でくら寿司はまだ、キャンペーン中止の可能性について一切の言及はしていない。つまり「第2弾以降では同様のことは起こらない」という考えにあると推察できる。ところがその後の顛末はすでに述べた通り。この発表からわずか2日後の4日、第2弾として配布が開始された湯吞みもまた、キャンペーン当日にメルカリで大量出品され、翌日のキャンペーン中止の発表に至ったわけだ。

永田氏が続ける。

「明らかに全容を把握する前の声明であり、この時点で選択を間違ったと言えます。『会社としてちゃんとやっていますよ』と発表した直後に、再び杜撰な管理が明らかになったのは、会社の上層部が現場をまったく分かっていない証拠です。

しかも、各店舗キャンペーン中止の知らせが届いた4日夜には『一部店舗で景品の湯呑みが無料で配布されていた』という事実もあります。おそらくお詫びという体なのでしょうが、説明不足ゆえに余計に客を逆なでする結果となりました。それだけ本部と店舗とでコミュニケーションが取れていなかったということです」

後手に回り続けた「お詫び対応」の末路

くら寿司の「選択ミス」はこれだけに留まらない。同社はキャンペーンの早期中止の「お詫びの気持ちを込めて」と称して9月6日、7日の2日間で全品10%の割引を実施することを決めた。ところが、これで客は喜ぶどころか、火に油を注ぐ結果となってしまう。

「対象内容は〈期間中来店したすべての利用者を対象に、店内飲食・持ち帰りを含む全品10%オフ〉とありましたが、割引の適用漏れが多発しました。しかも私が聞いた話では、会計時にわざわざ言わないと割り引かれない『自己申告制』の店もあったそうです。急ごしらえのキャンペーンゆえ、またしてもオペレーションのミスを招いてしまった。

さらに、この適用漏れに対するクレームに対して、レシート持参による返金対応を行うと決めましたが、これも私から言わせれば判断ミスでしかない。業界的に、飲食店で発行されたレシート・領収書をきちんと保管する人は全体の半分もいないというのが言説です。そう考えると、この返金対応はただ混乱を助長させるだけだったのではないでしょうか」(永田氏)

多くの従業員を抱えるくら寿司が、不正を行う人間を事前に察知し未然に防ぐのは、ともすれば難しい問題かもしれない。しかし、不正が発覚した後では話は変わる。迅速かつ丁寧な対応によって消費者を納得させるのは、企業の責務と言える。

その点において、くら寿司は「初動対応から事後対応までことごとく二択を間違え続けてしまった」(永田氏)のだ。それが、ここまで批判を集めた理由というわけだ。

つづく【後編記事】『現場も客も見放した「くら寿司」がおかしくなった「決定的タイミング」…トラブル多発&減益の理由は世代交代に?』では、今回の「ちいかわコラボ騒動」にもつながるであろう、くら寿司内部の“異変”について報じていく。

【つづきを読む】現場も客も見放した「くら寿司」不調をきたすようになった「決定的タイミング」…トラブル多発&減益の理由は世代交代に?