スポニチ

写真拡大

 ◇セ・リーグ 阪神1─5広島(2026年9月19日 甲子園)

 阪神は立石正広内野手(22)と熊谷敬宥内野手(30)の失策が失点に直結し、19日の広島戦(甲子園)に敗れた。1点を追う5回に、先発・村上頌樹投手(28)に代打を送る勝負手が不発に終わり、救援陣がリードを広げる誤算もあった。中日に勝利した2位・巨人に、ゲーム差なしの勝率7毛差まで接近を許し、優勝マジックは12で停滞。球団初のセ・リーグ連覇を目指す藤川球児監督(46)が窮地に立たされた。

 信じられないプレーが起きた。同点の4回、先頭・中村奨の平凡なフライを、左翼の立石が落球した。

 この日は、名物の浜風とは逆方向、左翼から右翼へ吹き抜ける「秋風」だった。一度は定位置付近で足を止めながら、風で流される打球を目で追って、三歩、四歩、五歩と足取りが怪しくなっていく。最後は倒れ込むようにしてグラブを差し出したものの、ボールは無情にもグラブからこぼれ落ちた。打者走者の三塁進塁を許すと、続く坂倉の犠飛で、勝ち越しを許した。

 「捕らなきゃいけないボールなので練習します。風とかどうこう言っている場合じゃない。がんばります」

 ドラフト1位ルーキーは悔しさをにじませた。プロに入ってから本格的に外野守備に着手。風の読みが難しい甲子園では毎日、フライ対策のノックを受けていたものの、大事な一戦で不慣れな一面が顔を出してしまった。

 6回は、熊谷が痛恨のミスを犯した。坂倉の遊ゴロを一塁へ悪送球(記録は内野安打と失策)し二塁へ進めてしまう。直後の佐々木の適時打でリードを2点に広げられた。9月2度目のスタメンが悔しい結果になり「悪い流れをつくってしまったのは自分のせい」と自責の念にかられた。

 藤川監督は1点を追う5回の攻撃で勝負に出ていた。1死三塁の同点の好機で、早々と村上を諦めて代打・高寺を送り込んだ。「エースですから投げたいところはあるでしょうけど、チームのためにというところですから」。デーゲームで巨人が勝利し、早めに動かざるを得ない状況だった。しかし、この勝負手も実らず無得点。2番手以降の木下、岩崎が追加点を許す誤算が追い打ちをかけた。

 本来なら、ミスが絡んだ失点を打線でカバーしたいところだったが、苦手の栗林の前に、わずか1得点と沈黙した。試合後、指揮官は立石の落球について語ることを避けた。

 「そのあたりはやめておきましょう。今はとにかく目の前のゲームに勝つことに集中しなければいけない。とにかく明日もチームをしっかりまとめて戦う。そこに尽きます」

 9月3日に最大5あったゲーム差がついになくなった。勝率でわずかに7毛差上回るだけ。20日のDeNA戦に敗れれば、優勝マジック消滅の可能性がある。もうこれ以上の失速は許されない。(倉世古 洋平)

 ○…阪神は勝率7毛差で首位をキープ。2位とゲーム差なしは、阪神と巨人が同率首位だった8月10日以来になる。20日に阪神●、巨人○か△の場合、7月25日以来の2位に転落。巨人に自力優勝の可能性が復活し、阪神のマジックは消滅する。また、阪神△で巨人○の場合、0.5ゲーム差で2位に転落するが、マジックは消えずM11となる。