※画像は生成AIによるイメージです

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 出張や旅行、帰省など、多くの人が利用する新幹線。限られた空間で長時間過ごすからこそ、お互いへの気遣いが欠かせない。しかし、ときには子ども連れに対する考え方の違いから、思いもよらないトラブルが起きることもある。
 今回は、新幹線で子ども連れをめぐるトラブルに遭遇しながらも、周囲の人の毅然とした対応によって救われたという2人のエピソードを紹介する。

◆「子連れはグリーン車に乗るな」と突然怒鳴られ…

 娘が1歳だった頃、夫と3人で東京から広島へ向かっていた佐伯綾香さん(仮名・30代)。

 長距離移動だったため、少しでも落ち着いて過ごせるようグリーン車を予約。子どもがぐずった時に備えて、お菓子やお気に入りのおもちゃを用意していたという。

「周りに迷惑をかけないように、できる限り準備をしていましたが……。乗車から1時間ほど経った頃、娘がぐずり始めてしまいました」

 泣き声が大きくなる前にデッキへ移動し、お菓子を食べさせたり、おもちゃで気を紛らわせたりしたものの、なかなか機嫌は戻らなかった。

 途中からは夫とも交代しながら、30分ほどかけてあやし続けた。ようやく娘が落ち着き、席へ戻ったその直後だった。

 隣の席に座っていた男性が、車内中に聞こえるような大声で「うるさい子連れはグリーン車に乗るな!」と言い放ったという。

「迷惑をかけないように、すぐデッキへ移動して必死にあやしていました。それなのに、あんなふうに言われてしまって……。子どもが泣いてしまった申し訳なさはありましたけど、『ここまで配慮しても責められるんだ』と悲しくなりました」

◆車掌が男性に言ったひと言

 突然の怒鳴り声に、周囲の乗客も一斉に佐伯さんのほうへ視線を向けた。騒ぎに気づいた車掌が駆けつけ、事情を確認すると、男性に対して「他のお客様のご迷惑になりますので、お席を別の車両にご用意いたします」と言ったという。

 注意されたのは佐伯さん一家ではなく、大声をあげた男性だった。男性は何も言い返せず、席を立って別の車両へ移っていったそうだ。

「車掌さんは、私たちがデッキへ移動していたことも見てくださっていたのだと思います。感情的にならず、冷静に対応してくださったおかげで、本当に救われました」

 佐伯さんは、「子ども連れだから何をしても許されるとは思っていません。だからこそ、できる限り周りへの配慮をしていました」と振り返る。

「あの日以来、小さな子どもを連れて移動している人を見かけたら、『大変だよね』という気持ちで見守るようになりました」