AIへの「なんとなく質問」6割超 電力消費を知っても「利用控えたい」は1割

調べものに、相談に、ちょっとした雑談まで。気づけば生成AIに「ちょっと聞いてみよう」と話しかける機会が増えてきました。一方、その裏側では、回答を生成するためにデータセンターで電力が使われています。
そんな「AIと電力」の関係について、再生可能エネルギーを含む電力事業を手がけるイーレックスが調査を実施。9月24日の「みんなでつくろう再エネの日」を前に、結果を発表しました。
■ 生成AI利用者の61.5%が「なんとなく質問」
調査は全国の20歳~69歳を対象に実施。
生成AIを利用している634人に「必ずしも生成AIに聞く必要はなかったものの、ついなんとなく質問した経験」を尋ねたところ、「よくある」が13.7%、「たまにある」が47.8%となり、計61.5%にのぼりました。

年代別では20代が74.2%、30代が67.3%と、若い世代ほど割合が高い結果に。
質問内容を見てみると、「好きな人と付き合うのは無理なのに、どうしたらいいか聞いた」「誰か3000万円くれないかなぁ、というどうしようもない願い」など、思わずAIに聞いてしまったさまざまな内容が寄せられています。
なお、本調査では、こうした「必要ではなかったものの、つい質問する」使い方を、今回の調査結果で「AI電力浪費」と表現しています。
■ AI利用と電力消費 78.1%は「知らない・気にしていない」
生成AIは、ユーザーから質問を受けると、データセンターなどに設置されたサーバーで計算処理を行います。当然ながら、その処理には電力が必要です。
ところが、「生成AIを利用すると、AIの計算処理を行うデータセンターなどで電力が大量に使われる」ことについて尋ねたところ、「知らなかった」が47.0%。「知っていたが、特に気にかけたことはなかった」の31.1%と合わせると、78.1%に達しました。
イーレックスではさらに、調査結果と公開データをもとに20歳~69歳の生成AIによる文章での質問・依頼回数を年間約635億回と推計しています。

これにGoogleが公表しているGeminiのテキストプロンプト1回あたりの電力消費量「0.24Wh」を当てはめると、年間の電力消費量は約15.2GWh。一般家庭約142万世帯が1日に使う電力量に相当するとしています。
もちろん、1回の質問で大量の電気を使うという話ではありません。しかし、小さな消費でも、何十億回と積み重なると大きな数字になるというわけです。なお、この試算には画像や動画の生成は含まれていません。
■ それでも「AI利用を控えたい」は12.3%
とはいえ、「だったらAIを使うのは控えよう」とは、なかなかならないようです。
AIやデータセンターの普及によって日本の電力需要が増えることについては、AI利用者の69.6%が「不安を感じる」と回答しました。
その一方で、電力消費について知った上で「AI利用を控えたい」と答えたAI利用者は12.3%。45.4%は今後も「利用したい」と答えています。

生成AIはすでに生活や仕事の中に入り込みつつあり、「電力を使うから利用をやめる」という選択には直結しづらいようです。
■ 増える電力を何でまかなう? 最多は「再生可能エネルギー」
そこで問題になるのが、増え続ける電力需要をどう支えるかです。
AIやデータセンターによって日本の電力需要が増えた場合、増やすべき発電方法を尋ねたところ、「再生可能エネルギー」が54.2%で最多となりました。

また、AIやデータセンター向けの電力について再生可能エネルギーを活用することを「重要」と考える人は56.8%。AI利用者に限ると67.4%となっています。

他にも、電力の条件としては「安全性が高いこと」が36.9%、「必要な電力を安定して供給できること」が32.4%と上位に挙がりました。
生成AIの利用を単純に減らすのではなく、増えていく需要をどのような電源で、どう安定的に支えるのか。
AIが当たり前になるにつれて、私たちが普段ほとんど意識することのなかった「AIの向こう側にある電力」についても、考える機会が増えていきそうです。
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By おたくま編集部 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026091804.html
