昨年のショパン国際ピアノ・コンクールで3位に入賞した中国出身のピアニスト、ズートン・ワン(27)=写真=は今月、日本国内7か所でリサイタルツアーを行っている。

 同コンクールでは、中でも3次予選のピアノ・ソナタ第2番「葬送」の演奏で、称賛を集めた。「プロへの第一歩となった。多くの人にプログラムを通じて自分の考えを伝え、成長する姿を見てもらう機会を得られた」と振り返る。ストレス耐性が付き、コンサートでリラックスして演奏できるようになったという。

 今回のリサイタルは、「幻想即興曲」などショパンの作品のほか、「もともと大好き」と言うシューマンの「ダビッド同盟舞曲集」などを選んだ。「シューマンは美しい旋律の中に知性を感じる。この曲は演奏される機会が少ないけれど、多くの人に聴いてもらいたいという気持ちを込めた」

 内モンゴル自治区フフホト市生まれ。米フィラデルフィアのカーティス音楽院を経て、現在はボストンのニューイングランド音楽院に在籍する。小さい頃からバッハとグレン・グールドが好きで、いつか弾きたい曲にバッハのゴルトベルク変奏曲を挙げる。「私自身が好きで、伝えたいと思うショパンの作品を取り上げていきたい」と、今後はショパンに加え、ほかの作曲家の作品もプログラムに盛り込み、レパートリーを広げていくつもりだ。