景況感はさまざまで…(C)日刊ゲンダイ

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【経済ニュースの核心】

米長期金利ついに5%突破…いよいよ懸念される「アメリカ発の世界不況」

 ゴールドマン・サックスは9月7日、2027年の湾岸地域の平均産油量が2月末の戦闘開始前の水準を下回る状態が続いた場合、北海ブレント原油は1バレル=120ドルを超えて上昇する可能性があると指摘した。インフレ要因だけに、各国は政策金利の引き上げを行うだろう。

 UBSグローバル・ウェルス・マネジメントは4日のリポートで、米国は9月15~16日と12月8~9日のFOMCでそれぞれ25ベーシスポイントの利上げを行うと予想した。

 ドイツ銀行も4日、欧州中央銀行(ECB)が9月10日の利上げに加えて、12月16~17日の理事会で25ベーシスポイントの追加利上げを実施する見通しとした。

 日銀は、原油高止まりを容認するようなトランプ発言を受けてどう動くのか。7月の景気動向指数の速報値は上昇し、20年6月から続く景気拡大局面は74カ月。戦後最長の「いざなみ景気」を超えた公算が大きいという。8月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は136.1と前年同月比7.6%上昇。消費者物価に波及するから、日銀の利上げは必至である。

 総務省が発表(4日)した7月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は30万1245円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.6%減少と、8カ月連続の減少だった。節約志向に伴う食料支出減が続いている。

 電気代は12.0%の大幅減。ガス代も7.2%減だった。自動車購入が低迷し、自動車等関係費は10.4%のマイナス。携帯電話を割安な料金プランに移行する動きから通信も5.6%減った。

 帝国データバンクは、主要食品メーカー195社が9月に値上げを予定している家庭用を中心とした飲食料品が、前年同月比約3倍の4923品に上るとした。単月としては26年で最多の規模になる。

 味の素は、家庭用と業務用のマヨネーズなど計21品の出荷価格について、12月1日納品分から約6~10%値上げする。年末に向けて消費者の節約志向は強まろう。イオンリテールは8日、PB「トップバリュ」から1000円のデニムパンツを発売、先読みの「価格破壊」である。

 財務省と内閣府が9月11日に発表した7~9月期の法人企業景気予測調査によると、大企業全産業の景況判断指数はプラス5.3となった。

 一方、消費者の景況感は値上げの影響などで異なる。大企業と消費者では印象が違う「混合景気」のようだ。10月1日発表予定の日銀短観(9月調査)では、11月以降の大企業の景況感に注目したい。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)