大丈夫か(赤沢亮正経産相)/(C)共同通信社

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 イラン戦争以降、高市政権がつぎ込んできたガソリン補助金は1兆円超。いまだ出口戦略を描けない中、日本の原油調達に暗雲だ。頼みの綱のひとつであるサウジアラビアの東西パイプラインが10日、無人機による攻撃を受けて稼働停止に追い込まれたからである。

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 AP通信は14日、パイプラインの復旧に3~5週間かかる見込みと報じた。赤沢亮正経産相は15日の閣議後会見で、代替調達への影響を問われ、国内に官民200日程度の原油備蓄があることを引き合いに「『日本全体として必要となる量』を確保できるという見通しに変わりはない」と強調。10月の備蓄放出は不要と説明し、11月以降の放出については「状況を見ながら判断する」と言うにとどめた。

 7月の石油統計(確報)によれば、日本の原油輸入は現状、米国が4割、サウジとUAE(アラブ首長国連邦)が各3割を占める。

 この3本柱の一角であるサウジが今回の攻撃によって大打撃を受けたうえ、ロイター通信によれば、封鎖中のホルムズ海峡の代わりにサウジが原油輸出の拠点としている西部ヤンブー港の在庫は1週間分にも満たないという。日本の原油調達が滞る恐れが出てきた。

■価格高騰が常態化

「備蓄があるので、直ちにショートするわけではありませんが、問題はサウジのパイプラインが復旧するまで実際にどれだけの時間を要するか、です。稼働停止が長引けば、日本も11月以降、備蓄の取り崩しを余儀なくされるでしょう。結局、米国に頼らざるをえないので輸入単価の高止まりが常態化してしまいます。これまで原油輸入を抑えてきた中国が最近になって調達を拡大し始めており、再び原油価格が高騰する恐れがあります。今回の一件で、日本のエネルギー政策の脆弱性が改めて浮き彫りになりました」(コネクトエネルギー合同会社CEO・境野春彦氏)

 頼みの米国も戦略石油備蓄の原油在庫が歴史的な低水準(約2.8億バレル)に落ち込み、他国に回す余力はカツカツ。UAEからの原油輸入量もイラン攻撃前に比べ2割減ったままだ。

「米国内ではガソリンや軽油の価格が高騰しており、いつ日本への原油輸出が絞られても不思議ではありません。日本政府は『必要量は足りている』と繰り返していますが、中東地域の攻撃ひとつで原油供給が止まり得るという危機的状況に変わりないのです」(境野春彦氏)

 それでも高市政権はエネルギーの需要抑制をかたくなに拒んでいる。まさかの“石油ショック到来”も笑えないのが現実だ。

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「2028年3月末まで石油の安定供給が可能となった」──。中東情勢に関する関係閣僚会議で、高市首相はこう宣言したのではなかったか。関連記事【もっと読む】原油代替調達が米国産頼み“一本足打法”の危うさ…「輸入量5.6倍」と過去最大に膨張は必読だ。