フタバ食品 「サクレ」核に成長領域拡大 氷菓技術生かし国内外開拓

写真拡大 (全2枚)

 創業80周年を迎えたフタバ食品は、次の20年、さらにその先を見据えた成長戦略を描いている。中核に据えるのは、発売41年目を迎えた「サクレ」だ。40周年を機にテレビCMやキャンペーン、サンプリングなどブランド発信を強化。今後は「サクレ」を大型定番ブランドへ育てるとともに、培った氷菓の技術や知見を生かして「かき氷」という領域そのものを広げる。2028年1月稼働予定の新鹿沼工場を成長基盤に、国内市場の深耕と海外展開を加速する。

 2025年は創業80周年と「サクレ」発売40周年が重なる節目となった。テレビCMや記念商品、サンプリングなどを積極展開し、2025年8月期のアイス事業売上高は約158億円、前年比107%に伸長。「サクレ」はフレーバー全体で約115%と牽引した。周年施策を通じて認知も広がり、齋藤貞大社長は「だいぶ多くの方に認知いただいてきている」と手応えを示す。

 「サクレ」は毎年新フレーバーを投入し、秋冬商品の育成にも力を入れている。3年目を迎えた秋冬限定品「サクレ濃いみかん」は昨年9月に発売し1ヶ月ほどで完売するほどの反響を得たことから、今季は供給体制を整え、秋冬需要のさらなる取り込みを図る。

サクレ 濃いみかん

 「サクレ」に次ぐ柱として育成を進めるのが、バキザク食感が特徴のモナカアイス「ダンディー」だ。全面リニューアルを機に売り上げを伸ばし、主力ブランドに次ぐ存在感を示している。価格志向が強まるなか、「特デカ」など低価格帯の商品も幅広いニーズを取り込んでいる。

 齋藤社長が次に見据えるのが、「サクレ」で培った技術を生かした新たなかき氷市場の開拓だ。今年7月には、過去の商品を復活させた「ふんわりかき氷 いちご練乳」を発売した。「『サクレ』で培った技術をもとに、氷を使ったジャンルをより幅広く提案していきたい」と新たな商品開発にも意欲をみせる。

新鹿沼工場で生産力増強

 今後の成長を支えるのが、約168億円を投じた新鹿沼工場だ。2028年1月から順次稼働し、生産能力を現状の約1・5倍に引き上げる計画。需要に応じて柔軟に生産できる体制への転換に加え、生産効率を高める設備を導入し、原価低減と競争力向上につなげる。PR室や見学コースなども設け、地域に開かれた拠点とする。

 新工場は、国内で取り切れていない需要を取り込む基盤にもなる。特に西日本市場は東日本に比べて認知度向上による成長余地が大きい一方、現在の大阪拠点だけでは十分に対応し切れていない。新工場の稼働で既存工場の生産余力を高め、新たな需要の獲得につなげる。

 海外も新たな成長軸の一つだ。香港、台湾、東南アジア、 オーストラリア、 アメリカなどへ輸出を進めており、今後は5年程度をめどに海外売上高を現状の3倍まで引き上げる目標のもと、地域の嗜好に合わせた商品開発に取り組む。「サクレ」の海外展開ではかき氷文化の違いが壁となる一方、日本らしさを生かした商品に可能性を見いだしている。「アジアや中東では、最中や餅などの和素材が人気。単に夏の冷たい食べ物としてではなく、地域に合った商品や売り方を考え、新たな市場を開拓したい」と話す。

 80周年を機に、地域活動や環境への取り組みなど、これまで発信してこなかった会社の姿も積極的に発信するようになった。宇都宮で80年にわたり事業を続けてきた同社は、地域とのつながりを次世代へ引き継ぎながら、「サクレ」を核とした新たな成長領域を開拓し、100年企業への歩みを進める。

ソース