精機光学研究所の試作機「KWANON」

 「キヤノン」は国産高級カメラの開発を志した技術者の吉田五郎らが1933年、東京で立ち上げた精機光学研究所にルーツがある。観音様を信仰していた吉田が試作機に「KWANON(カンノン)」と名付けたのが社名の由来。その後に英語で「規範」などの意味がある「Canon」に改め、高級機「ハンザキヤノン」発売でスタートを切った。(共同通信=出井隆裕記者)

 1937年に研究所から企業への飛躍を狙って精機光学工業を創業。医師の御手洗毅が1942年に初代社長に就任した。御手洗は国産高級カメラを製造するという研究所の理念に共感して資金援助していた縁で社長を引き受けた。

 戦後は大衆消費文化の発展を受けて中級機に参入。1961年発売の中級機「キヤノネット」が機能性の高さと価格の安さの両立で大ヒットした。

 1960年代後半には「右手にカメラ、左手に事務機」をスローガンに多角化を推進。1970年に国産初の普通紙複写機を世に送り出した。現在は映像、印刷、産業、医療の各機器を軸とした事業を展開、2025年12月期の連結売上高は過去最高の4兆6千億円に達した。

1961年発売の中級機「キヤノネット」

1970年に発売した国産初の普通紙複写機「NP-1100」

現在販売中のミラーレスカメラ「EOS R1」

医療用CT装置