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同窓会の夜、人気ケーキ店で何が起きたのでしょうか。死亡した男性は、オーナーの女性に強い執着があったとみられています。2人の関係から、事件の背景を追いました。

【写真を見る】5人死傷のケーキ店放火事件 死亡した会社役員の男性は女性オーナーに“強い執着”か 「付き合っていた」との証言も 岐阜・本巣市

(柳瀬晴貴記者 9月12日 岐阜・本巣市)
「事件から1週間、店のオーナーの死亡が確認され、事件の全容解明はさらに難しくなっています」

5人が死傷した火災から、9日が経ちました。現場には今も、花を手向ける人の姿が。

岐阜県本巣市のケーキ店「さんらいず」。ことしで開業20周年。地元で幅広い世代に親しまれてきました。

(近所の人)
「このあたりの人は、みんな知っている名前のケーキ屋さん。イベントがあると車が止められないくらい、たくさんの人がくる」

「手作りだから、おいしかったよ。まさかあんな風になるとは思わなかったけど…」

人気のケーキ店で何が?

9月11日には、店のオーナー・曽野さとみさん(66)が亡くなり、この事件での死者は4人に。地元で人気のケーキ店で、いったい何があったのか。そして、取材で浮かび上がった事件の背景とは…

9月5日の夜。激しく燃え上がる炎が建物を呑み込んでいました。

(柳瀬晴貴記者 9月5日)
「火事があったケーキ店の前には、多くの消防の姿があります。現場には焦げ臭いにおいが漂っていて、火事の激しさを感じさせます」

屋根にのぼり、救助にあたる消防隊員の姿も。

(目撃者)
「中から火が出て、どんどん上に上がっていって。屋根も落ちるかな?と思ったら、どんどん燃えてゴトンと落ちる音も聞こえた」

焼け跡からガソリンを入れる携行缶や複数の刃物

出火当時の110番通報の内容は…

(建物の中にいた人)
「人が刺された。ガソリンをまいている。火事になっている」

焼け跡からは、自営業・福田達哉さん(66)と、パート従業員・堀部真由美さん(65)の2人の遺体が見つかりました。福田さんは、腹部を真正面から刺されたことによる失血死でした。

(福田さんの友人)
「仕事引退してから初めて一番親しくなれた連れ。正義感の強い人だったから、(トラブルを)止めに入って刺されたのかね…」

焼け跡からは、ガソリンを入れる携行缶や複数の刃物も見つかり、警察は殺人と放火の容疑で捜査しています。

1人だけ車の中から発見

(松田亘哲記者 9月7日 岐阜・本巣市)
「救助活動は建物の中や屋根の上で行われていた中、林さんだけは駐車場に止められていた車の中から見つかったということです」

そして、駐車場に止めた車の中では、瑞穂市の葬祭会社役員・林寛至さん(70)が大火傷を負って見つかり、搬送先の病院で死亡しました。

林さんについて、救助された人はこんな証言をしています。

(生存者)
「(林さんが)人を刺し、ガソリンをまいて火を放った」

店のオーナーを知る人は…

さらに12日、病院で治療を受けていた店のオーナー・曽野さとみさん(66)も全身にやけどを負い、亡くなりました。曽野さんを知る人は…

(近くの喫茶店店主)
「地元の店同士頑張ってやろうねと、やってきた人なので本当にびっくり。あれだけの店を20年かけて築かれて愛されていた」

仕事熱心で、従業員たちから親しみを込めて「ママ」と呼ばれていた曽野さん。人気店のオーナーとして、市の広報誌で紹介されたことも。

(岐阜県洋菓子協会 会長)
「先週、洋菓子コンテストで会ったばかりで、非常に業界に貢献してもらっている方。そんな恨まれる人じゃないと思うけど…」

あの夜、建物の中で、いったい何があったのか。CBCの取材で、その様子が徐々に明らかになってきました。

同窓会の“招かれざる客”

現場となったのは、店の2階にある住居スペース。事件当日、オーナーの曽野さんが主催する中学時代の同窓会が開かれ、10人が集まりました。

同窓会は、幹事役の曽野さんの呼びかけで9年前に始まり、年に1回ほどのペースで開かれていました。

事件当日の夜、10人はマージャンなどを楽しんでいたといいます。そこに現れたのが、同窓会には招かれていなかった林さんでした。林さんが、何らかの理由でいったん店を離れ、その後再び来店した際に火災が起きたといいます。

林さんは事件の数日前、近所のガソリンスタンドに携行缶を持ち込み、「草刈り機の燃料」という名目で複数回ガソリンを購入していたことも分かっています。

事件の背景に、いったい何があったのでしょうか。

2人を知る人からは「付き合っていた」との証言

林さんが曽野さんを連れてよく通っていたという、行きつけの飲食店の店主に話を聞きました。

(2人を知る飲食店の店主)
Q.2人を最後に見たのはいつ?
「8月25日(事件1週間前)。貸し切りでうちへきて、楽しいお酒を飲んで歌を歌った。また来るからママ頼むね!と帰っていったので普通の感じ」

事件の約1週間前。林さんは、曽野さんや娘など4人で店を訪れ、カラオケや酒を楽しんでいたといいます。

店主は、2人の関係について…

(2人を知る飲食店の店主)
「籍は入れないけど良い関係だというのは、林社長から聞いている。だから付き合っていたなと。(曽野さんの)旦那さんが亡くなった時に、いろいろ林社長に助けてもらった。それから付き合いが始まったと(曽野さんが)言っていた」

交友関係のトラブルか…

2人が知り合ったのは、6年以上前。曽野さんの夫が亡くなった際、葬儀を担当したのが僧侶の資格を持つ林さんでした。その後、林さんが曽野さんの仕事の相談にも乗るようになり、親しくなっていったといいます。

(2人を知る飲食店の店主)
「(林さんは)気風が良かったし、面倒見も良かった。皆さん慕っていたんじゃないかな」

Q.事件の背景に何があると思う?
「うかつに下手なことは言えないけど、“男女関係”のもつれ。いろいろあったみたいなことは耳に入ってくるもんで…」

その後の捜査関係者などへの取材で、林さんが事件当日や前日に度々店を訪れていたことが明らかに。曽野さんに対し、強い執着があったとみられています。

曽野さんの交友関係をめぐり、2人の間で何らかのトラブルになったとみられていますが、林さんの一連の行動は、事前に計画されたものだったのか?それとも衝動的なものだったのか?

警察は、生存者の証言をもとに捜査を進めていますが、核心を知る2人が亡くなった今、事件の全容を明らかにすることは難しくなっています。