【浜岡不正】原発再稼働への審査データ改ざん問題巡り中部電力社長が立地の地元各自治体を“謝罪行脚”(静岡)
15日朝、浜岡原発が立地する静岡・御前崎市には…。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
「まもなく中部電力による説明が行われます。報道陣が多く集まり、高まる緊迫感。マイクの向こうで語ることとは」
神妙な面持ちで部屋に入ったのは中部電力の林欣吾社長です。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「御前崎の皆様には1967年に立地を申し入れをさせていただいて、以来、半世紀以上にわたってずっと浜岡原子力発電所の取り組みに御理解を賜り、さまざまな面でご協力、運営を支えていただきました…それにもかかわらず、今回、皆さまの信頼を裏切る結果を招きましたこと、経営トップとして誠に申し訳なく極めて重く受け止めております」
浜岡原発3・4号機がどれほどの地震に耐えられるのか、その前提となるデータで行われた今回の不正。中部電力は審査が早く進むよう地震の揺れのデータを人為的に操作し意図的に小さく見せる改ざんをしていました。
14日、中部電力は253ページにも及ぶ調査委員会の報告書を公開。責任をとって勝野哲会長と林欣吾社長が今月30日付けで辞任し、再稼働に必要となる原子力規制委員会への審査の申請を取り下げることを表明しました。
報告書の内容について15日、下村市長が指摘したのは…。
(御前崎市 下村 勝 市長)
「ヘルプラインが機能しなかったということだが、その一番の要因、なぜ機能しなかったのか」
2019年と2021年の2度「内部通報」がありながら、適切に対応していなかったことについてです。その原因について、報告書では「独自の正当化理論」が原子力部門以外にも広がり、「信念すら持って不適切な行為を行っていた」と指摘しています。
これに対し林社長は…。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「今回非常に専門的であったこと、また非常に閉鎖性のあるところで起きたことがあって、その原因なり中身を調べていくにあたって…執行部と離れ得ないところにやはり限界があったのではないか」
「内部通報」機能を見直し強化していくと述べました。
(御前崎市 下村 勝 市長)
Q.「地域の御前崎の人たちの思いがくまれなかったことについてはどう考えていますか?」
「安全性の根っこの部分を触ることのリスクは、会社として深く受けとめてもらいたい。本質的に問題があることは受け止めてもらわないと困るし、もし、また出てくるようであったら、本当に信頼が崩壊してしまう」
そして、その後、静岡県庁を訪れた林社長。
(伊藤 薫平 アナウンサー)
「中部電力の経営陣です。これから静岡のトップ、知事に向けてどういった言葉で謝罪をするのでしょうか」
鈴木知事に謝罪したうえで会社を立て直し「再申請」を目指すと強調しました。
(中部電力 林 欣吾 社長)
「浜岡原発の重要性、必要性は何ら変わらないものだと確信しています…組織風土や業務プロセスの改善に努めて、全力を尽くして、会社を徹底的に見直して…その上で決してあきらめることなく、再稼働に、再申請に向けた取り組みを進めていきたい」
国会議員時代に原子力政策にかかわっていたという鈴木知事は…
(鈴木知事)
「基準地震動の改ざんなどで信頼性が欠いてしまったことは大変残念です…県民の皆さんにしっかり寄り添って丁寧な説明をしていただいて…一つ一つ信頼回復していく、それに尽きるだろう」
□経産相会見
一方、中部電力に対しては、原子力の活用を進める国からも厳しい声があがっています。15日の会見で、原発を所管する赤沢経産相は…
(赤沢経産相
「原子力の活用は、安全性の確保と地域のご理解が大前提であります。本事案は国民の信頼を大きく損なうあってはならないものであり、まさに遺憾の極みであるというふうに思っています」「安全性の確保と地域の乗り換えを大前提としながら、原子力などの脱炭素電源を最大限活用していくという方針に変わりはございません」
林社長は、その後、原発周辺にある牧之原・菊川・掛川の3つの自治体をまわりました。
牧之原市の杉本市長からは厳しい言葉が…。
(牧之原市 杉本 基久雄 市長)
「本当に残念でならない。これまで信頼関係を築いたきたのに一瞬のうちに崩れた。…マイナスから60年間の信頼関係を回復するのは、並大抵のことではない。ころっと信頼が構築できるわけでない」
地元への“謝罪行脚”に追われた林社長は…
(中部電力 林 欣吾 社長)
「静岡県、御前崎の皆さまは、ずっと浜岡(原発)を支え続けてくれました。そういった皆さまの信頼を裏切ったこと、あらためて大きなことだと痛感しました」
Q.「地元とどう向き合っていきますか?」
「ゼロというよりマイナスからのスタートなので、再稼働というよりも再申請するスタートにつけるように、これから会社を抜本的に変えて、信頼を少しでも取り戻す」
林社長は、このあと午後6時から御前崎市の市議会に出席する予定です。
(スタジオ解説)
(澤井 志帆 アナウンサー)
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
(コメンテーター 経営コンサルタント 坂口 孝則 氏)

