国際学力調査1位でも喜ばない中国、その理由は…-仏メディア
仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は11日、国際学力調査で中国が上位を占めたことについて「表面上は成功しているように見えるが、実際の状況とは乖離がある」とする仏紙ル・モンドの報道を紹介した。
経済協力開発機構(OECD)は8日、世界91カ国・地域の生徒約76万人を対象に2025年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。科学的応用力、読解力、数学的応用力の3分野について調査したもので、科学的応用力と数学的応用力では中国の4省・直轄市(北京市、上海市、江蘇省、浙江省)が、読解力ではシンガポールが1位だった。
ル・モンドの記事は、「多くの欧州諸国、特にフランスは大きく順位が下がった一方、中国の成績は際立っており、科学と数学の2分野で首位だった。だが中国は大々的に祝うことはなかった。なぜなのか。理由は簡単だ」とし、「PISAの結果には中国の教育制度が抱える多くの問題が隠されている」と指摘した。
同記事は、中国からPISA調査に参加したのが北京市、上海市、江蘇省、浙江省という「経済的に最も発展した4つの地域」の生徒だった点に言及。「これらの地域の子どもたちが非常にしっかりとした基礎学力を身につけていることは確かだが、一方でそれ以外の中国の多くの地域、特に発展水準の低い地域は統計の対象に含まれていない」とした。
そして、「根本的な問題として、PISA調査は中国全体の教育や社会の実態を本当に反映しているとは言えない。最も発展した4つの地域の生徒を選んでテストを受けさせることは果たして妥当なのか。また、対象となった学校、生徒が実際にどのような方法で選ばれたのかも不明だ」と主張した。
同記事は、「中国がPISAに初めて参加したのは2009年。最初は上海市だけだったが、15年には北京市、江蘇省、広東省が相次いで参加した。広東省には深センのようなハイテク都市があるが、周辺部には依然として貧しい地域もある。そのため、15年の中国の順位は10位まで低下した。そこで18年からは、広東省に代わって浙江省が参加することになったのだ」と説明した。
その上で、「もしこの方法を欧州連合(EU)に当てはめるなら、経済や教育の発展度が最も高い4つの都市、地域、州だけを選んでテストを実施し、その4地域の成績をもってEU全体を代表させるようなものだ。このような結果は、明らかに中国全体を代表するものではない」と指摘した。
記事は、「中国には戸籍制度による不平等が存在する」とも言及。「国内のパスポートのような性質を持つ戸籍制度によって、多くの中国人、特に農村部の人々が平等な教育機会を享受できていない。近年、この制度は徐々に緩和されているものの、制限は依然として非常に厳しく、地域間の教育格差は大きい」と指摘した。
そして、「最近発表されたPISAの成績について、中国では大々的な宣伝が行われていない。これは、この問題が中国社会で非常に敏感なものだからだ」と述べた。(翻訳・編集/北田)

