なにかがおかしい。そう思うようになっていたA子さんのもとに、1件のDMが届く。

「昔、同僚だった先輩からでした。

『久しぶり~!覚えてるかな?たまたまA子ちゃんのアカウントがおすすめに流れてきて、びっくりして連絡しちゃったよ!こんなに人気になっちゃって、すごいね(笑)こちとら相変わらずの安月給なのに、稼げてそうで羨ましい~』

 といった調子の、褒めながらもどこかトゲがある文面だったんです」

◆プライバシーに土足で踏み込む所業

 やや警戒しつつも、当たり障りのない返信をしたA子さん。

「そもそも5年ぶりくらいのコンタクトでもあったので、お元気にされてますかとか、他愛のないことしか返さなかったんです。当時からややノンデリというか、気分のムラが大きい人だったので、まあこんなものかな、という気持ちもありましたしね」

 だが、先輩の質問攻めは止まらなかった。

「収入なんてないですよ~と言っても、『絶対稼いでるでしょ!』と食い下がらず、ずけずけ聞かれました。料理研究家になりたいからこそ、適当な案件も受けずに地道にやっていたので、実際にアカウントの稼ぎはほとんどなかったのですが。ほかにも『じゃあ今は趣味のアカウント運営と子育てしかしてないニートなの?』とか、『フォロワーはいくらで買ったの?』とか、いくら昔の先輩とはいえ、許せない暴言を吐かれました」

 我慢の限界が来たA子さん。

「ほかの共通の同僚とのつながりもありますから、波風は立てたくなくて。でもそっとフェードアウトできるように、会話を切り上げようとしました。すると、『てか子供、大丈夫そ?なんか発達障害あるんでしょ?』と送られてきたんです」

 たしかに事実で、その特性ゆえの偏食でもあったが--A子さんはその先輩に話してもいなければ、アカウントにも書いてはいないことだった。

「なんで先輩が知っているのか、まったく心当たりがなく、いよいよ怖くなりました。なぜ知っているのかと尋ねても、『A子ちゃんから聞いたよ?』と言うのですが、診断が下りたのは先輩と関わりがなくなってからのことですから、辻褄が合いません。それで一旦無視してしまうことにしたんです」

◆嫌がらせが加速、犯人はやはり…

 この一幕から1週間ほどが経ったころ、A子さんのアカウントへの嫌がらせは日増しに悪化していった。

「お店で出すものでもないのに、『手袋してなくて不衛生』とか、やっと子が気に入ってくれるポイントを見つけたレシピなのに『そんな料理だから子供が嫌がるんだよw』とか、基本的には揚げ足を取れればなんでもいい、って調子でした。ただ、『クソビ○チだから子供がこーなっちゃったんだね、ご愁傷様』といった、ストレートな誹謗も出てくるようになったんです」