「フジテレビの皆さんも…」フジテレビ元相談役・日枝久氏 1年9ヵ月ぶり公の場で古巣にメッセージ

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「わたくしは喜びだと思っている」

杖をつき、慎重な足取りでゆっくりと壇上に上がる白髪の男性。会見の席につくや、かつて見せたような鋭い眼光で、会場を一瞥した──。約40年間にわたり、フジテレビのトップに君臨した日枝久氏(88)である。

9月8日、都内で、『高松宮殿下記念世界文化賞』の受賞者、『第29回若手芸術家奨励制度』発表の記者会見に日枝氏が出席。公の場に姿を現したのは、1年9ヵ月ぶりのことだ。

「日枝氏は、長年、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)とフジテレビジョン両社の代表取締役会長を務めました。’17年に退任後もフジ・メディア・ホールディングスの取締役相談役、フジサンケイグループの代表として、社長の人事を指名するなどの影響力を発揮し、フジの“ドン”と称されていました。

’23年6月に発生した元タレント中居正広氏(54)の女性トラブルに端を発した問題で、同社のコンプライアンスや企業風土も問われることとなり、約40年にわたり経営に携わった日枝氏に批判が集中。昨年3月27日付で退任していました。今回、公の場に姿を現したのは、’08年に就任したフジサンケイグループに属する日本美術協会の会長としてのもので、1年9ヵ月ぶりとなります」(全国紙社会部記者)

昨年2月に、腰椎圧迫骨折で入院していた日枝氏は、昨年の同賞会見、授賞式は欠席。冒頭のように杖をつきながら登壇した際の足元はかなりおぼつかない様子だった。椅子に座るなり、

「日枝でございます。座ったままで失礼いたします」

と挨拶。各部門賞の受賞者を読み上げた。報道陣から久しぶりの公の場となることを質問されると、

「あなた以上にわたくしは嬉しいですね。今日は歩けるか、座れるかどうかって。知ったお顔もお会いして、こうやって座って発表できること自体が、わたくしは喜びだと思います」

と笑顔を見せた。続けて、

「世界が文化芸術で人と人、国と国を結びつけられる仕事を我々ができるということを本当に幸せだと思います。だから、フジテレビの皆さんもその一助を担っているということを考えていただきたいなと思います」

とフジテレビへのメッセージを口にした。

そのフジテレビは、日枝氏の直属部下で、相談役時代に社長だった港浩一氏(74)、そして、日枝氏の“懐刀”といわれた元専務の大多亮氏(67)に50億円の損害賠償を請求した裁判が現在も続いている。

当時、日枝氏の責任を追及することは一切なく、2人を提訴し巨額請求した際には“トカゲの尻尾切り”などと揶揄されたフジテレビだが、日枝氏の会見での言葉を聞く限り、同局への影響力はまだまだ残っているのかもしれない──。