前週から7円以上の円高(C)共同通信社

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 あれよあれよという間に険しい「壁」を乗り越えた。8日の円相場は一時1ドル=152円台後半まで大幅に上昇。前週から7円以上も円高に振れ、4月以降に累計27兆円超を費やした円買い介入でも破れなかった「155円の壁」を軽々と突破した。

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 急激な円高は日銀の利上げペース加速の観測が強まったため。きっかけはベッセント米財務長官の「口先介入」だ。先週は日本に利上げを促す発言を連発。8月30、31日には訪米中の植田和男・日銀総裁と片山さつき財務相とそれぞれ会談した後、「より強い円につながる措置を講じると確信している」と語り、「私は市場が知らない情報を握っている」とまで言ってのけた。

「この発言前から市場は日銀の早期利上げを織り込んでいたが、さらなるペースアップを連想させた。9月17~18日の金融政策決定会合で『外圧』に屈し、従来の0.25%幅から0.5%という大幅利上げに出ると受け取られた」(金融関係者)

 一方、同時期に米FOMC(連邦公開市場委員会)が行う米国の政策金利判断への見方は流動的だ。ここ数日は利下げを求めるトランプ大統領の圧力により「利上げ」観測は大きく後退。日米の金利差縮小が意識され、円買いに拍車をかけた。

■判断を鈍らせた片山・植田コンビの「雑音」

「先週は欧米市場で一気に155円台まで円高が進んだのに、東京市場の動きは鈍かった。ベッセント発言に植田総裁はノーコメントで逃げ、片山財務相は完全否定。彼らの言動が『ノイズ』となり、個人投資家の判断を狂わせたようです」(経済評論家・斎藤満氏)

 その証拠がFX取引における対円での「ドル買い」建玉の比率だ。4日時点でも71.3%と約3年9カ月ぶりの高水準となった。155円台付近で円が再び売られるという「壁」を信じた「逆張り」である。しかし期待が外れ、1ドル=150円をうかがう円高進行で損失処理に追われている。

「『損切り』によるドルの狼狽売りが円高をさらに後押ししていますが、日銀の判断次第で逆回転しかねません。次回の利上げ幅が従来通り、あるいはまさかの見送りで市場を裏切ると円安に向かい、今度は円高継続と踏んだ個人投資家の大損を招く。日本のFX市場の取引高は月間1000兆円規模と今や世界最大級です。ジェットコースター相場の損失額は計り知れません」(斎藤満氏)

 アナタの周りにも青ざめた顔の人がいるはずだ。

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 高市首相と片山財務相の関係はギクシャクしているも、今月中旬にも行われる内閣改造でも続投するとみられている。その理由とは──。関連記事【もっと読む】『日米間で板挟みの片山さつき財務相が続投へ…高市首相も財務省も「頼み」にするしかない異様』で詳しく報じている。