米国、冬前に終戦交渉再始動へ…ウクライナ大統領「9~10月が対話の適期」
最近、米国特使団がロシアとウクライナを相次いで訪問する中、米国側が冬が来る前に軍事的緊張を緩和できる方策を模索しているとウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が明らかにした。米国のドナルド・トランプ大統領特使でありスティーブ・ウィトコフ氏も「実質的な進展」に言及し、2月にイラン戦争が始まって以降、止まっていた終戦協議に弾みがつくかどうか注目される。
7日(現地時間)、米政治専門メディアのアクシオス(Axios)は「ゼレンスキー氏は本格的な冬が始まる前の数週間を外交交渉の決定的な機会とみている」と報じた。ゼレンスキー氏はアクシオスとのインタビューで「私の感覚では、プーチン氏はトランプ氏を必要としている。トランプ氏を怒らせたくない」と話した。ウラジーミル・プーチン露大統領はウクライナを弱体化させるため、もう一度過酷な冬を狙っているが、中間選挙を控えてトランプ氏の機嫌を損ねたくないということだ。
プーチン氏が中間選挙を控えてトランプ氏に外交的成果をもたらそうとする可能性があるかと尋ねると、ゼレンスキー氏は「そうだ」と答えた。プーチン氏が緊張緩和を望んでいなくても、それに応じるようトランプ政権から圧力を受ける可能性があるという。
これに先立ちゼレンスキー氏は6日、キーウを訪れたウィトコフ氏とトランプ氏の婿ジャレッド・クシュナー氏に会った。2人は前日、モスクワでプーチン氏と約3時間にわたり対話した後、ゼレンスキー氏と会った。
ゼレンスキー氏は米特使団から「ロシアは交渉する準備ができている」というメッセージを伝えられたと話した。米特使団がロシアとウクライナを相次いで訪問したのは外交的膠着状態を打開(unlock)するためで、新たな構想も持参したと説明した。
ゼレンスキー氏は具体的な協議内容を明らかにしなかったが、「エネルギー施設や電力網、穀物輸送、石油・ガス輸出などを巡るアイデアがテーブルに上がった」と話した。冬を控え、また冬の間に両国が取ることのできる潜在的な緊張緩和措置が協議に含まれたという。ただ、ゼレンスキー氏は「ロシアと我々は異なる利害関係を持っている」と述べ、意見の隔たりが存在することを示唆した。
ゼレンスキー氏によると、米国の目標は終戦交渉を再開すると同時に、今冬に戦争が極限へと突き進むのを防ぐ方策を探すことだ。2022年にロシアがウクライナを侵略して以降、ロシアは冬の間に猛攻を浴びせ、戦況を有利に展開しようとする試みを繰り返してきた。
ゼレンスキー氏は「ロシアは今年の冬が我々を倒すために有利にはたらくと固く信じている」とし、ロシアの交渉意志に懐疑的な見方も示した。ロシアは大規模な冬季攻勢とインフラ攻撃を通じてウクライナに強力な打撃を与え、屈服させることを望んでいるという。ゼレンスキー氏は「彼らが我々の電力網を攻撃した時、我々は彼らの石油とガスの販売能力を遮断した」とし、ウクライナもロシアに経済的打撃を与えることができると強調した。
このように冬になるたびに戦争による大規模な被害が続いていることから、トランプ政権が今冬には異なるアプローチを取れるよう仲介に乗り出したとみられる。ゼレンスキー氏は、米国の目標が冬前と冬の間に「双方とも平和により近づくことができる」措置を探すことだと伝えた。
ゼレンスキー氏は9~10月を外交交渉再開の適期としたいとし、9月末にニューヨークで開かれる国連総会が米国とウクライナの会談の契機になり得るとの見方を示した。ゼレンスキー氏が9~10月と明示した背景には、米国の中間選挙前に交渉に弾みがつく可能性への期待が反映されたとみられる。
また、米国・ウクライナ・ロシアの3者会談再開の可能性も排除せず、「トランプ大統領が過酷な冬が訪れる前に実質的な交渉開始の方策を見つけ出すことができると思う」と話した。ゼレンスキー氏は、できる譲歩はすでにすべてしており、いかなる外交交渉にも安全の保証と経済支援パッケージが含まれなければならないと強調した。
ロシアとウクライナを訪問したウィトコフ氏もこの日、交渉再開に向けた前向きなシグナルを発信した。ウィトコフ氏はX(旧ツイッター)への投稿で「トランプ大統領の指示により、米交渉団は終戦に向けた追加対話を促進するため両国を訪問した。追加の3者対話の日程調整が行われるなど、実質的な進展(substantive progress)があった」と明らかにした。また、キーウ訪問時には英国、ドイツ、フランスの外交・安全保障担当の補佐陣も協議に参加したと紹介した。
これに関連し、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官もこの日、「具体的な会談場所と時期を議論するにはまだ早すぎる」としながらも、3者会談再開の可能性を排除しなかった。
このように3カ国の間で終戦に向けた対話再開への期待が高まっているが、現実的には実質的な成果を出すのは容易ではないとの見方も少なくない。ロシアは併合を宣言したウクライナ4地域全体に対する領有権の主張を堅持しており、ウクライナは領土と安全保障を巡って譲歩できないとの立場だからだ。これまでも停戦やエネルギー施設への攻撃中断を導き出すための試みが数回あったものの、実現しなかった背景もここにある。

