《阪神マジック点灯の立役者》8月だけで7本塁打の“覚醒”…正捕手・坂本誠志郎(32)は何が変わったのか
8月30日の巨人戦に勝利し、首位攻防の天王山の戦いに3連勝、マジックを点灯させた阪神タイガース。恒例の長期ロードが続く8月を最高の形で終えた。その立役者となったのが、正捕手の坂本誠志郎(32)だ。
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将来の指導者候補として獲得した
「昨季までプロ10年間で8本塁打だった坂本ですが、なんと8月だけで7本のアーチを量産し“覚醒”。27日の中日戦では9号逆転ホームランを放ちチームの3連敗を阻止。欲しいところで効果的な一発を放っている」(スポーツ紙記者)

7月までのホームランは2本だった坂本誠志郎
明大から2015年のドラフト2位でプロ入りした坂本。
「2学年上の梅野隆太郎(35)は自分でリードを組み立てて投手をグイグイ引っ張るタイプ。対照的に坂本は投手の良さを見つけた上でまずは気持ちよく投げさせることを優先します。
入団当時は同じ明大からドラ1で入った髙山俊(現オイシックス新潟)の方が注目され、あまり目立っていませんでしたが、球団は履正社高、明大で主将を務めた経験から『うちにあまりいない、キャプテンシーがある人材』と判断。球団本拠地がある兵庫県出身で、仮に選手として活躍できなくても将来の指導者候補として獲得したといいます」(球団OB)
坂本が突然覚醒した理由
プロ通算打率は2割台前半と高くなく、強肩とバッティングが評価された梅野より劣る面もあった。だが、今シーズンは梅野がコンディション不良で一軍と二軍を行ったり来たりする間も一度も二軍に落ちることなく、投手陣に疲れが目立つ夏場に「打てるキャッチャー」へと変貌を遂げた。
「リードなど守備力はもともと実力があっただけに打撃力が備われば評価はさらに上がります」(同前)
突然の覚醒の理由は何か。前出のスポーツ紙記者が続ける。
「プロの打者には2つのタイプがあります。まずは来た球に感覚的に反応して対処する“本能型”の選手。球団OBの糸井嘉男氏(45)など、ある程度身体能力が高い選手はこのタイプが多い。
一方で配球やコースなどを読んで狙い球を絞って打つ“知略型”の打者もいます。坂本も当初は捕手としては珍しく、本能型の打者でした。しかし、ここにきて狙い球を絞り対応できるようになってきた。配球の綾を読み解き、狙い球を定めることで、思い切ってバットを振ることができている。
今シーズンは複数球団の現役選手や首脳陣が、『とにかく球がよく伸びる』と証言するほど飛ぶボールも追い風にして、本能型と知略型のハイブリッドが誕生した感じです」
8月の月間MVP獲得も囁かれる坂本。9月も勢いは続くか。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年9月10日号)
