11回無死、勝ち越しのソロを放つ甲斐(5日)=大塚直樹撮影

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 巨人10-5広島(セ・リーグ=5日)--巨人が熱戦を制した。

 九回に泉口の適時打で追いつき、十一回に甲斐のソロ、代打坂本の2点二塁打などで試合を決めた。広島は救援陣が踏ん張れなかった。

 巨人は同点の十一回、途中出場の甲斐が値千金の勝ち越しソロ。2球で追い込まれながら低めのボールを見極め、6球目の高め速球を左翼席へ運んだ。8月26日のヤクルト戦でも九回に決勝アーチをかけた右打者の一発で打線は勢いづき、代打坂本の左越え2点二塁打などで突き放した。

 4時間37分に及ぶ熱戦を、巨人の橋上監督代行は「全ての選手の『最後まで諦めない』という気持ちがハッキリ出た試合だった」と興奮気味に振り返った。延長十一回、甲斐の決勝ソロに始まる打者一巡の猛攻でシーソーゲームにけりをつけたチームに残った野手は、小林とティマの2人だけ。まさに総力戦だった。

 劣勢の打線を勢いづけたのは、3番一塁で先発した増田陸。試合前に体調不良を訴えて欠場したダルベックに代わり、急きょスタメンに抜てきされた右打者は1点を追う五回、大瀬良のカットボールを振り抜き、左翼への同点ソロとした。

 8年目の今季は開幕一軍を勝ち取ったが、交流戦中に降格。それでも腐らずに爪を研ぎ、8月下旬に一軍復帰すると、翌日に3号を放つなど持ち味のパンチ力を発揮している。優勝争いのさなかで結果を求められる立場にいても、「怖さも、ネガティブな思いもない。一戦一戦、全部勝つ気持ちで思い切ってやるだけ」とがむしゃらに前を向く。

 懸命な26歳の姿勢に呼応するように、この日の打線は何度も粘りを見せた。八回には石塚が一時勝ち越しの適時二塁打。直後に逆転を許したが、土壇場の九回に泉口の適時打でこの日3度目のビハインドを追いつき、延長に持ち込んだ。

 途中出場で十一回に決勝ソロを放った甲斐は言う。「残りの試合は、どれだけ自分たちの野球がしっかりできるかどうか」。レギュラーも控えも、若手もベテランも関係なく、一丸となって目の前の相手に立ち向かう。レギュラーシーズン残り20試合。進むべき道を指し示すような1勝だ。(緒方裕明)

 巨人の九回の同点劇は、浦田の勇気ある二盗から生まれた。二死一塁でアウトになれば試合終了の場面だったが、「あそこで走って決めないと、自分の存在価値は見せられない」と打者・泉口の3球目にスタート。リーグ単独トップとなる35個目の盗塁を決めると、泉口の左前打で一気に生還。「アウトになったら終わりだったけど、走ってこそだと思った」と胸を張った。

 巨人はNPBタイ記録の10投手のリレーで勝利をつかんだ。5点リードの十一回、マルティネスが登板してベンチ入り投手全員を使い切る形に。その後は捕手の小林がブルペンで肩を作り、守護神の故障など不測の事態に備えた。十回に登板し、三者凡退に抑えて勝ち投手となった則本は「一人一人、役割がある。みんなでカバーできてよかった」と振り返った。

 巨人・橋上監督代行「投手も野手もほぼ総動員した。(甲斐の決勝ソロに)あの本塁打で救われた。あそこで勝ち越せたことで(投手陣も)何とかいけた」