【カスハラ】10月から防止対策義務化 暴言、誹謗中傷…カスハラ被害の自治体や医療現場で独自の取り組み
客からの暴言や理不尽な要求などの迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。さまざまな業種で後を絶たず社会問題となる中、カスハラから労働者を守る法改正が行われ、10月からすべての事業主に対し、対策が義務付られます。
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中津市で条例制定、過去5年で243件の被害も
自治体でも独自の動きが出ています。大分県内では中津市が今年4月、県内で初となる「カスハラ防止条例」を施行しました。
中津市総務課 吉川奈央さん:
「社会全体の中でカスハラ対策はすごく問題だと思います。議会の決議や市の職員も、実際にそういったことを受けたことがあるという意見もある中で、条例を制定させていただきました」
市が2024年度に職員を対象に行ったアンケ―トでは、およそ4割が「カスハラを受けたことがある」と回答。具体例には「窓口で『殴るぞ』と脅迫された」「ブログで実名入りで誹謗中傷された」「正当な理由がなく慰謝料を要求された」などがあり、過去5年間で243件にのぼります。
弁護士への相談料に補助金
これを受け、市は去年2月に対応マニュアルを作成。その後、議会の議決や経済団体から「市全体で取り組むべき」との意見を受け、条例制定に至りました。
中津市総務課 吉川奈央さん:
「事業者・働く人・市それぞれが責任を持って、働く人たちが働きやすいようにしてもらいたい。それが中津市内の健全な経済発展に繋がることを市民の皆さんに周知していきたいと思っています」
条例により、市は庁舎内に相談窓口を設置したほか、市内の従業員20人以下の事業者を対象に、弁護士への相談料を1件あたり5000円補助しています。
中津市総務課 吉川奈央さん:
「一人ひとりが思いやりを持って接することができれば、カスハラがなくなっていくと思うので、実際に困っている方がいれば、助けられるような支援していきたいと考えています」
医療現場でも被害…葛藤も
医療業界でも対応が進められています。大分市の大分三愛メディカルセンターでは、年間十数件の迷惑行為があるといいます。
大分三愛メディカルセンター診療管理支援課 割石圭亮課長:
「診断書の内容を自分の思うように書き換えてくれ、患者さんの家族や親族が入院期間をもっと延ばしてほしい、患者さん以外のところからトラブルになるケースも最近は増えています」
待ち時間の長さに腹を立て、診察料の支払いを拒否するケースなどもあるということです。
一方、病気が原因で感情のコントロールができなくなる患者もいるため、対応の線引きが難しい部分もあるといいます。
大分三愛メディカルセンター診療管理支援課 割石圭亮課長:
「我慢するケースは非常に多く、病気を抱えて医療機関の方に来られているので、多少の暴力、暴言などは仕方ないのかなというケースは多いと考えています」
「コードホワイト」で職員連携
対策として10年以上前から導入しているのが、緊急呼び出し「コードホワイト」システムです。暴力などのトラブル発生時に院内放送で助けを求めると、男性職員が一斉に駆けつけます。今年4月以降、2件対応しました。
また、カスハラへの対応方針を示すチラシを掲示。今後は、相談窓口などを整備して周知を図る計画です。
大分三愛メディカルセンター診療管理支援課 割石圭亮課長:
「どういった行為がカスハラになるのか、カスハラがもし起きた際にどう動けばいいのか、引き続き訓練・研修を行って、働きやすい職場を構築していきたいと思っています」
10月からの施行に向け、多くの事業所では対策作りが急務となっています。

