「先発8試合で防御率9.66」千賀滉大が“守護神”で復活できたワケ…データで判明した劇的変化
もちろん登板数や期間は異なる。それでも千賀滉大(メッツ)の今季を追うと、「先発からリリーフに回ったから復活した」だけでは説明できない変化が見えてくる。
◆先発からロングリリーフへ転向しても続いた苦戦
そこで6月下旬、メッツは千賀をブルペンへ配置転換する。ただし、ここでいきなり現在のような「9回の1イニングを任される」という役割に収まったわけではない。
当初は複数イニングを任されることもあった。ブルペン転向後、ロングリリーフとして投げた4試合を調べると、計12回で9失点、防御率6.75。少なくとも、先発を外しただけで劇的に成績が改善したわけではなかった。
ただ、その4試合をイニングごとに見ると興味深い。
4試合中3試合では、登板した最初のイニングを無失点で終えていた。ところが、その3試合はいずれも次のイニング以降も続投し、そこで失点している。
サンプルはわずか4試合。これだけで「千賀は回跨ぎが苦手」と決めつけることはできない。それでも少なくともこの期間には、最初のイニングを抑えたあと、続投した回に失点するケースが続いていた。
◆「1イニング限定」の起用で防御率が劇的に改善
そして8月、メッツは千賀を基本的に1イニング限定で起用するようになる。
すると11試合、10回1/3を投げて自責点2、防御率1.74。5度のセーブ機会もすべて成功した。これだけで1イニング起用が好転の原因だったとは言い切れないが、千賀の成績が大きく変わった時期と、役割がさらに絞られた時期が重なっているのは確かだ。
しかも8月の11試合のうち、10試合が9回の登板だった。長い回をつなぐ役割から、試合終盤の1イニングを任される投手へ。求められる役割が、かなりはっきり変わった月でもある。
◆フォーシームとフォークで約9割を占める大胆な配球
では、その時期に投球の中身はどう変わっていたのか。まず目につくのが、配球の大胆な“引き算”だ。フォーシームとフォークを合わせた割合は6月の55.4%から、7月の71.1%、8月には89.7%まで上昇した。
