スポニチ

写真拡大

 ◇練習試合 高校日本代表4-9明大(2026年9月3日 明大)

 7日に開幕するU18アジア選手権(台湾)に高校日本代表で出場する横浜(神奈川)の最速157キロ右腕・織田翔希投手(3年)を目当てにMLB20球団以上の台湾視察が見込まれることが3日、複数の関係者への取材で分かった。“最終テスト”と位置づけ、視察を基にオファー内容を練る見通し。高校生No・1投手を巡る日米争奪戦は台湾の地へ移る。

 国内合宿では最後の練習試合。織田は先発し、明大を2回1安打無失点に抑えて実戦調整を終えた。2回2死から7番・福原に対する4球目のボールはソフトバンク・宮田善久スカウトのスピードガンで「163キロ」の数字が出た。非公式ながら、大船渡時代の佐々木朗希(ドジャース)と並ぶ高校生史上最速。「ファウルの時に誤計測はあるけど、(打者がスイングしていない)見送り(の球)だから焦ります」と驚いた。

 ヤンキース、ドジャース、カージナルス、アストロズなど日米計11球団が高校生No・1右腕を視察し、MLBスカウトの計測では最速156キロ。8月29日の大学日本代表との壮行試合では2安打された今秋ドラフト候補の外野手・榊原を左飛に仕留め、「凄くいい経験ができた。まだまだ上げていかないと」と7日の開幕を見据えた。

 日米争奪戦の火花は台湾でも散る。MLB球団のスカウトは本紙の取材に「この情勢だと台湾駐在のスカウトを含めてメジャー20球団以上の視察があるだろう」と予測。米国、キューバなどの有望株が出場する隔年開催のU18W杯ではなく、アジア限定の大会に大挙する理由は、高卒でMLB球団と契約する可能性を残す織田の存在にある。

 MLB球団のスカウトは「オファーを考えている球団にとって判断を下す機会になる」と説明。時間が許す限り実力を見極め、契約規模や25歳未満の海外若手選手との契約金に使える年間総額「インターナショナル・ボーナスプール」の球団間譲渡などの判断材料とする狙い。神奈川大会から皆勤の勢いで視察するドジャースなどが派遣を決めている。

 4強入りした夏の甲子園大会に訪れたMLB球団スカウトは「最大で250万ドル(約4億円)を用意する球団もある」と契約金を見積もった。アジア選手権でアピールすれば、さらに増えるかもしれない。過熱する日米争奪戦。織田本人は「うれしいですよ。こんなに注目されることは人生の中でそうないこと」と冷静だった。夏が過ぎても「令和の大怪物」がドラフト戦線の主役を走り続ける。