2人で45冠の民謡姉弟『りあれの』が挑む“失われし地元の唄”復活 90年の時を超え調べ響かせる「ひと夏の挑戦」
全国各地の大会で優勝を重ねる、中3の姉と小6の弟からなる“民謡姉弟”がいます。しかし意外や意外、彼らが“歌ったことのない唄”が地元のまちにあり…?失われかけた民謡を復活させようと奔走する、ひと夏の挑戦を追いました。
■2人合わせて45冠!民謡姉弟「りあれの」…しかし地元の民謡大会は「0」に
愛知県西尾市に住む中学3年の姉・村田りあさん(14)と、小学6年の弟・零能(れのう)くん(11)、人呼んで「りあれの」です。
7年前に民謡を始めると、全国各地の大会で優勝を重ねること、2人合わせてなんと45回!全国レベルの“歌ウマ姉弟”です。
そんな「りあれの」の2人にはこの夏、挑戦したいことがありました。それは、地元・西尾市の「民謡」を発掘して歌うこと。
姉・りあさん:
「愛知県で大会があるとか、代表的な民謡が本当になくて」
東海地方で民謡の普及に取り組む団体によると、趣味の多様化などで歌い手の数は徐々に減少。愛知県最後の民謡大会は24年前に終了し、2人の地元・西尾市にも、歌い継がれなくなった唄がたくさんあるといいます。
■「りあれの」奔走!地元民謡の復活に向け楽譜や音源かき集め…
8月下旬、西尾市内に住む元中学校音楽教師・大橋康雄さん(81)を2人が訪ねると、ある本を託されました。
大橋さん:
「この本の中に、西尾市の歌が全部入っておりますので、ぜひ地域で歌ってもらって」
本は大橋さんが退職の記念にと24年前に制作したもので、市内の学校の校歌や民謡などがびっしり。
その中から2人が選んだのは、1931年に作られた『米津小唄』。
矢作川の情景を歌った“故郷の唄”ですが、歌い継がれることがなくなって久しく…。今回、当時の歌い方を再現させれば、約90年ぶりの復活となります。
さらに、2人は地元の寺などを訪ね回り、貴重な音源の数々も入手。“材料”を家に持ち帰ると、練習を始めました。大橋さんの本になかった唄は、音源を頼りに自ら楽譜に起こします。
姉・りあさん:
「全国のいろんな人に民謡を知ってもらって、大会とかみんなが知るきっかけを作れたらなと思っています」
■約90年ぶり…民謡「復活披露」未来へ歌い継ぐ2人の思い
8月29日。2人が復活させた“故郷の唄”を披露する場がやってきました。
舞台は、地元の特別養護老人ホーム。2人が民謡を始めたてだった7年前にも訪れた、思い出深い場所でもあります。
『異邦人』や『あずさ2号』など、定番の昭和歌謡で場を温めると、いよいよ『米津小唄』へ。2人の手で復活させた“故郷の調べ”が、およそ90年の時を超え会場を包みました。
利用者ら:
「素晴らしかったです」
「将来が楽しみですね。これからも歌ってください」
姉・りあさん:
「地域の力だけ、個人の力だけだと限度があるというか、大会もできたら絶対楽しいし、そこもできたらなと思っています」
弟・零能くん:
「維持していくというか、大きな動きをしなきゃいけないと思いますので、こんな感じに何回かいろいろな所で歌わせていただけたらなと思います」
ひと夏で地元の失われかけた民謡を蘇らせた、西尾の民謡姉弟。未来へと歌い継いでいきます。
