イラン戦争はトランプ自身の「終わりなき戦争」か…米国民の8割が長期化を予想【トランプ2.0 現地リポート】
【トランプ2.0 現地リポート】
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イラン戦争が始まって半年、膠着状態が続く中、「終わりなき戦争」への懸念が広がっている。
NYタイムズは8月28日の記事で、「イラン戦争は明確な目標も終わりも見えない、トランプ自身の『終わりなき戦争』へと変質した」と報じた。ロイターも、世界のエネルギー市場を人質にした「塹壕戦」が2027年まで続く可能性を指摘している。
状況打開の切り札として、24日ベッセント財務長官が打ち出した「経済版Dデー(決戦の日)」は、イランと取引を続ける第三国の企業や金融機関を、ドル決済網から切り離すと警告する2次制裁だ。
しかし、看板倒れとの見方も広がった。イラン最大の貿易相手国である中国や、軍事協力を深めるロシアに対する措置が曖昧だからだ。むしろ、アメリカの友好国や戦略的パートナーが、イランとの取引を続けることで米金融システムから排除される可能性がある。実際、最初の規制案の対象となったのは、エジプト国有銀行バンク・ミスルのUAE支店だった。
その一方で、トランプ大統領は22日、アメリカの最も重要な同盟国の一つであるカナダの一部製品に、50%の関税を発動した。さらに、カナダ国境にあるオンタリオ湖を「アメリカ湖」に変える大統領令に署名。これに対しカナダは激しく反発している。
イランを孤立させるには同盟国の協力が欠かせないのに、その同盟国に制裁や関税を課す。この矛盾から、トランプ大統領は本当に戦争を終わらせる気があるのかという疑念が広がっている。
9.11以降20年間続いたアフガニスタン戦争は、「終わりなき戦争」と呼ばれた。軍事費の膨張と人的犠牲は戦争疲れを広げ、海外での軍事介入を嫌う新たな世代を生んだと言ってもいい。トランプ大統領も「戦争を終わらせる大統領」を掲げたことが、当選の一因となった。
そのトランプ氏自身が、新たな「終わりなき戦争」にのめり込んでいる。しかも今回は日常生活を直撃し、世界経済をも巻き込んでいる。
8月の世論調査では、トランプ氏の支持率は33%と最低水準に落ち込んだ。イランでの軍事行動を支持する人は31%にすぎず、83%が戦争は長期化すると予想している。アメリカ人の多くが「終わりなき戦争」をすでに予感している。
(シェリーめぐみ/NY在住ジャーナリスト)
