スポニチ

写真拡大

 ◇セ・リーグ 阪神4─1巨人(2026年8月29日 甲子園)

 阪神・球団初のリーグ連覇へ、阪神がマジック23を点灯させた。29日の巨人戦(甲子園)に4―1で快勝。坂本誠志郎捕手(32)が4回に左前へ先制のV撃を放てば、大山悠輔内野手(31)は5回に中前打を放った。ともに申告敬遠直後の適時打で今季2戦2敗だった田中将をKO。チームは07年以来19年ぶりとなる対巨人戦6連勝で、最短Vは9月14日だ。森下が7回に左手首付近に死球を受けて途中交代。球場は騒然となったが、ついにカウントダウンが始まった。

 猛虎打線をけん引する2人は、ネクストバッターズサークルで静かに燃えていた。伝統の一戦第2ラウンド。先制のV撃を放ったのは大砲に進化した坂本だった。

 「敬遠するってことはランナーも増えるし、打ってつながれば複数点になり得る状況。こっちにとっちゃチャンスも大きくなる。いい一本になった」

 4回2死二塁の場面。前を打つ高寺の打席で相手ベンチは申告敬遠を選択したが、心の中で準備はできていた。「“そんな気がする”と思いながら準備ができていた」。カウント1―1からの3球目、田中将の高めに浮いてきた142キロのツーシームを鮮やかに捉えた打球は左前への適時打となった。11年目の今季は打点、本塁打数で既にキャリアハイを更新。普段は至ってクールで淡々と仕事を果たすことが多いキャプテンが、一塁ベース上で顔を真っ赤にして吠えた。その一本に続いたのが大山だ。らしいコメントで適時打を振り返った。

 「みんなで取った追加点だと思っています」

 5回2死三塁の場面。直前で佐藤輝が3ボールから申告敬遠された直後の1ボールから田中将の外角カットボールを捉え、中前へはじき返した。この一打で試合前時点で今季2戦2敗だった田中将をKOした。お祭り騒ぎとなった聖地を横目に一塁ベース上では坂本とは対照的に冷静な表情を浮かべていた。

 直近では18年ぶりのリーグ優勝を果たした23年、続く25年とリーグ優勝の“味”を知る2人が天王山の2戦目でも、淡々と役割を果たす姿が頼もしい。これで対巨人戦は07年以来、19年ぶりの6連勝だ。今月20日と25日に勝てばマジック点灯のチャンスがあったが、いずれも敗れて対象チームの巨人も勝利していた。三度目の正直でついに優勝へのマジックナンバー「23」が初点灯した。それでもキャプテン坂本に油断や隙は見当たらない。

 「いや、(マジックナンバーは)あってないようなもんだと思って、1個ずつ勝っていけばいいし、もちろん全部勝つつもりでいきますけど、何かあったからっていって、バタバタせずに、目の前の一つの試合に、新しい試合に集中するということだけ」

 最短Vは9・14。カウントダウンは始まっても一歩ずつ、着実に、球団初の連覇へ向け前進を続ける。(石崎 祥平)

 ○…阪神に優勝へのマジックナンバー「23」が初点灯した。この日の巨人戦勝利で、自力優勝の可能性を残すチームが阪神1チームになったため。対象チームは巨人で、阪神は残り27試合のうち、対巨人戦3試合を除いた24試合の中で23勝すれば89勝53敗1分けの勝率・627で、巨人が残り25試合に全勝した場合の勝率・624(88勝53敗2分け)を上回る。なお現日程での最短優勝決定日は9月14日。

 ○…2リーグ制以降、阪神が優勝へのマジックナンバーを点灯させたのは、V逸の3度を含む11度目で25、26年と2年連続の点灯は初めて。