わずか8世帯14人が暮らす山間の限界集落で、一夜にして5人が殺害された。ノンフィクション作家・八木澤高明氏の文庫新刊『殺め家』(鉄人社)が描く「現代の八つ墓村」事件の現場を、著者自身が訪ねた記録は、集落に漂う静寂と哀しみをそのまま伝えてくる。「嫁さんが殺されたんだよ」犯人の保見光成は中学卒業後、神奈川県川崎市で左官業を営み、気さくな性格で知られていた。