猛暑に襲われる近年の夏、ドラッグストアの店頭でよく見かける経口補水液。熱中症予防に使うのは間違っているという。スポーツドリンクとの用途の違いは何か。ホームライフ取材班が編集した『日本人の9割が損してる コスパとタイパの残念な習慣』(青春出版社)より、紹介する――。
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■「冷水シャワー」で逆に暑さが増す理由

暑い夏は風呂に浸からず、シャワーだけで済ませている人は多いだろう。ぬるま湯で汚れを洗い流し、最後は冷水シャワーで体を冷やすと爽快だ。

しかし、その瞬間は気持ちいいだろうが、やめておいたほうがいい。スッキリして浴室から出ても、涼しいと感じるのはたった数分。ほどなく、暑さを一層感じることになる。

冷たい水を浴びると血管が収縮し、血流が滞とどこおって、体から熱が逃げにくくなる。冷たいと感じるのは、肌が冷えているときだけで、その後は逆に暑くなってしまうのだ。

夏のシャワーは冷水ではなく、あえて温水を選ぼう。体を温めると血管が拡張し、血液量が増加して、体内の熱を放出してくれる。シャワー直後こそ、体表の温度が高くなっているが、すぐに涼しさを感じるようになる。

「温水シャワー」のほうが体温を下げる効果あり

夏バテ後に「ウナギ」は逆効果

土用の丑(うし)の日に、ウナギを食べる。体調を崩しやすい夏、栄養豊富なウナギを食べて精をつけよう、というのはうなずける話だ。ただし、これは夏バテに備えて行うこと。すでに夏バテになっているのなら、ウナギは食べてはいけない。

体がだるい、何だか食欲がない、胃がもたれる……。いわゆる夏バテの症状が現れたら、胃腸はかなり弱った状態になっている。こうしたとき、脂っこいウナギの蒲焼きを食べたら、胃が悲鳴を上げてしまう。

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脂肪分の多い食品は、胃の中にとどまっている時間が長い。このため、胃に大きな負担がかかって、食欲は一層なくなり、夏バテはさらに進行する。

胃腸が弱ったときは、脂っぽいものや刺激の強い香辛料はNG。そうめんやうどんといった、消化の速い炭水化物を食べて、胃腸が回復するのを待とう。

胃腸が弱っているときに、脂肪の多いウナギはNG!

■多くの利用者が勘違いするサウナの入り方

短い時間で大量に汗をかき、体全体の新陳代謝を促すサウナ。あの熱いサウナ室に入っていると、確かに、体が活性化されるような気がする。しかし、間違った入り方をした場合、健康に対する効果が薄れるどころか、かえって悪影響を与えかねない。

多くのサウナ利用者がカン違いしているのは、湯船からあがったまま、またはシャワーを浴びたままの濡れた体で入っていることだ。体についた水分は、蒸発する際に体温を奪う。このため、汗を効率良くかけなくなってしまうのだ。

また、水分が蒸発することにより、体の周りの湿度が高くなる。この状態で、暑い中、我慢比べのように頑張ると、息苦しくなって、体に対する負担が大。濡れた体を拭いて入ってこそ、サウナの健康効果は得られる。

ただし、スチームサウナやミストサウナなどは、もちろん濡れたままで入ってかまわない。

汗を効率良くかけなくなり、健康効果が下がる

■熱中症予防に「経口補水液」は大間違い

猛暑に襲われる近年の夏、怖いのは熱中症だ。そこで、予防のためにこまめに水を飲む人は多い。

いや、ただの水では効果が小さいと、熱中症に効くと評判の「経口補水液」を愛飲している人もいるのではないか。

しかし、経口補水液は熱中症の予防のために飲むものではない。間違った使い方をしないようにしよう。

最近、にわかに注目されるようになり、ドラッグストアに多彩な商品が並んでいる経口補水液。以前からあるスポーツドリンクとはどう違うのだろうか。

本来、経口補水液は脱水症状の治療に使われるものだ。脱水症状になった場合は点滴も選択肢に入るが、病院に行くまでに時間がかかるときなど、この経口補水液を飲むと、速やかに水分を補給することができる。

経口補水液の主な成分は糖分と塩分。別に市販の商品を買う必要はなく、じつは自宅で簡単に作ることが可能だ。

500mLのペットボトルに水を入れ、上白糖を大さじ2程度の20g、塩をひとつまみの1.5gを加えて混ぜたらできあがり。この比率で水と砂糖、塩分を組み合わせると、小腸に最も素早く吸収される。

経口補水液とスポーツドリンクの最も大きな違いは、糖分の濃度。スポーツドリンク運動で失われたエネルギーを補給するため、含まれている糖分が多い。このため、経口補水液と比べると、水分が吸収されるスピードという点では劣る。

こう見てみると、熱中症の予防に経口補水液は最適のように思えるかもしれない。しかし、あくまでも緊急時の治療用という点を忘れてはいけない。

本来、医師による食事療法として使われるものなので、まだ体に水分が十分ある状態では飲まないのが基本だ。熱中症になりかけたときなどに、急いで作って飲むのがいいだろう。

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本来、脱水症状の治療用で、予防用ではない

■大量の汗で「水をがぶ飲み」は禁物

熱中症の予防のためには、エアコンなどを使って暑さを避けるとともに、水を補給するのが大切。しかし、汗を大量にかくのだからと、水をがぶ飲みするのは禁物だ。かえって脱水症状を悪化させる危険がある。

一気に大量の水を飲むと、血液などの塩分濃度が低下する。

こうなった場合、体は塩分濃度を正常な範囲に戻そうと、尿の量を増やして外に出そうとするのだ。

結果的に、しっかり水を飲んでいるにもかかわらず、逆に脱水状態に近づいてしまう。さらに、塩分濃度が低くなると、のどの渇きを感じにくくなる。体は水分を必要としているのに補給されにくい、という困った状態になってしまうのだ。

熱中症予防の水分補給には、1時間ごとにコップ1杯の水を飲むようにしよう。

逆に脱水症状に陥る危険あり! 少量を何度も飲もう

猛暑で「塩分補給」の適切なタイミング

汗をかくと、水分といっしょに塩分も失ってしまう。だから、熱中症を予防するためには、ただ水を飲むだけではなく、塩分も補給しなければいけない。こう考えている人は、ひどい場合は血圧が上がってしまうかもしれない。

ホームライフ取材班『日本人の9割が損してる コスパとタイパの残念な習慣』(青春出版社)

汗には塩分が含まれている。しかし、普通に汗をかいても、塩分はそれほど失われない。じつは、汗腺は汗に含まれる塩分を再吸収するので、汗をかいてもすぐに塩分不足になることはないのだ。

塩分を補給すると、逆に体に負担がかかり、血圧が上がるといったトラブルに見舞われる恐れがある。通常、水分補給は水だけで十分だ。

ただし、殺人的な猛暑のなか、汗を長時間、大量にかく場合、汗腺からの塩分吸収だけでは賄いきれなくなる。こうした場合は、塩分補給も考えたほうがいいだろう。

塩分は汗腺から再吸収されるので、水だけでOK

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ホームライフ取材班(ほーむらいふしゅざいはん)
エキスパート集団
暮らしをもっと楽しく!もっと便利に!」をモットーに、日々取材を重ねているエキスパート集団。取材の対象は、料理、そうじ、片づけ、防犯など多岐にわたる。その取材力、情報網の広さには定評があり、インターネットではわからない、独自に集めたテクニックや話題を発信し続けている。
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(エキスパート集団 ホームライフ取材班)