父が亡くなってもうすぐ「5年」、今になって残高「700万円」の通帳が見つかり困惑…。当時は相続税の申告をしていませんが、今からでも申告が必要なのでしょうか?
亡くなった人の通帳が見つかったときの対処法
亡くなった人の通帳が見つかった際には、相続税の課税対象になっていないかを確認しましょう。相続税の申告期限は、本人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。
相続税を申告していなかったにもかかわらず、10ヶ月を超えて新たに見つかった財産を含めることで申告が必要になった場合は、期限後申告が必要になる可能性があります。
期限後申告とは、名前の通り法定申告期限を超えて手続きをすることです。期限後申告の場合、税金の納付期限は、申告をした日と同日になります。新たに見つかった分を加算しても課税対象でなかった場合は、期限後申告は必要ありません。
期限後申告の際に加算税や延滞税も課される可能性がある
相続税に限らず、税金の申告、納付は期限を超えて行うと、「延滞税」の課税対象となる可能性があります。国税庁によると、延滞税とは納付期限を超えた日数に応じて課される、利息に相当する税金です。
納付期限から実際に納税した日までが遅くなるほど延滞税は高くなります。また、納付期限の翌日から2ヶ月を経過する日までと、2ヶ月を経過した日以降で税率も変わります。少しでも税金負担をおさえるためには、できるだけ早く申告、納税することが大切です。
「加算税」は、申告が必要な税金を無申告のままにしたり過少申告したりした場合に課される可能性がある税金です。例えば、申告が必要だと分かっていながら申告せずに放置すると、無申告加算税の課税対象になる場合があります。
相続税の申告が必要なケースと不要なケース
相続税の申告が必要となるのは、基本的に相続財産の総額が基礎控除を超えていた場合です。相続税の基礎控除は「3000万円+600万円×法定相続人の数」で求められます。
後から財産が見つかった場合は、見つかった金額と元々の相続財産を合計して、課税基準を超えていないか確認が必要です。後から見つかった財産を加算しても基礎控除を超えていなければ、相続税の申告は必要ありません。
700万円が後から見つかった場合の相続税はどうなる?
今回は、次の条件で後から700万円が見つかった場合の相続税の例を計算しましょう。
・元の相続財産は3000万円
・法定相続人数は1人
・税額控除や2割加算には該当しない
まず、法定相続人数が1人の場合、相続税の基礎控除は3600万円です。700万円が見つかる前の場合、基礎控除よりも少ないため、相続税は申告しなくても問題ありません。
一方、700万円が後から見つかった場合、相続財産は合計3700万円です。この場合、基礎控除を差し引いた100万円に対して相続税が課されます。課税対象となる金額が100万円のときの税率は10%のため、納税する相続税額は10万円です。
納付期限を超えて申告する場合、この金額に延滞税や加算税も加わる可能性があります。
課税対象になった場合はできるだけ早く申告しないと税金負担が増える可能性がある
亡くなった人の通帳が見つかった場合、元の相続財産の金額と後から見つかった金額の合計が相続税の基礎控除を超えていなければ、税金は課されません。しかし、基礎控除を超えた場合や、加算により相続税額が変わる場合は、期限後申告や修正申告として、相続税の申告と納税が必要です。
期限を超えて申告、納税する場合、通常の相続税に加え、延滞税や加算税も課される可能性があります。特に、延滞税は納付期限から遅くなるほど高くなるため、課税対象となることに気づいたらできるだけ早く申告、納税しましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4205 相続税の申告と納税
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版)申告と納税
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.9205 延滞税について
財務省 納税環境整備に関する基本的な資料 加算税制度の概要
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和8年度版) 財産を相続したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

