ネパール土石流、死者273人に 日本人家族5人と連絡取れず 観光や国境越えの要所でなぜ土石流?直前に“地震”氷河が大規模崩落か

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ネパールと接する中国チベット自治区にある国境検問所。

建物から多くの人が駆け出していきます。

そして次の瞬間、数十メートルはあろうかという検問所の建物を優に超える土石流が次々に押し寄せました。

26日にネパールで発生した大規模な土石流。

土石流は国境を接する中国側にも流れ込み、駐車場とみられる建物を一瞬のうちにのみ込み、建物全体を破壊。

流れる川は土石流によって真っ黒になっています。

こうした大規模な土石流は、国境を接するネパール側では山の陰から一気に押し寄せた土石流が山間部にある建物に襲いかかりました。

土石流は下流へと流れ込み甚大な被害をもたらしています。

車や建物をのみ込み、濁流となって押し寄せた土石流。

土石流が流れてくるとみるみる水位が上昇。

川岸に建つ建物に襲いかかり中央に架かっている橋ものみ込み破壊、押し流してしまいました。

当時、土石流に襲われた街にいた人は「市場に着いたとき30分以内にこの川が大きくなって流れてきた。すべてが被害を受けました。人々は食事をしたり、出勤の途中でした。何人が亡くなったのか分かりません」「私はテラスにいて土石流は最上階にも達しました。1時間ほどでようやく収まりました。4〜5時間後、ヘリコプターで救助されました」などと話しました。

救助されブルドーザーに乗った高齢女性の姿は泥だらけになっていました。

一瞬にして街の様子を一変させた土石流。

今回、土石流が起きたエリアはどういった場所なのでしょうか。

ネパールに26年在住し、現地で日本人向けのツアーを企画している春日山さんに話を聞きました。

ヒマラヤンアクティビティーズ・春日山紀子代表:
ネパールの有名なトレッキングコースの中のひとつであるランタンというエリアに行ったり、国境を越えて今はチベット外国人が抜けられる道が今回の被害エリアに当たっている道しかない。

観光エリアや、国境へ行くのに重要な要所となっていたということです。

春日山さんは過去にこの場所を通ったことがあり、今回の土石流には衝撃を受けたといいます。

ヒマラヤンアクティビティーズ・春日山紀子代表:
何回か通ったことがある道ですね。なじみのある道ではあります。自分が巻き込まれてもおかしくない、本当に今衝撃というか、本当に怖いなとは思いました。

衛星写真にも、この土石流の激しさが克明に表れていました。

発生前と比べると川幅が何倍にも広がっているのが確認できます。

長雨や集中豪雨などによって、一気に下流へと押し流される土石流。

時速20kmから40kmという速度で、一瞬のうちに民家や畑などを壊滅させてしまいます。

しかし、ネパール当局によりますと、直前24時間の雨量は最大でも7mm程度で大雨は降っていなかったといいます。

なぜ大規模土石流は起きたのでしょうか。

土石流の直前には、マグニチュード4.4の地震が観測されています。

しかし、この地震については、その後分析が修正されました。

その理由は氷河が関係しているというのです。

複数のメディアや専門機関によりますと、揺れや土石流の原因と指摘されているのが、ヒマラヤの山岳地帯で発生した大規模な氷河や岩石の崩落です。

標高約5200メートル付近で氷河の一部が崩れ、約1200メートル下の谷に一気に落下。

川に流れ込んだことで土石流が発生した可能性があるというのです。

街や人々に大きな傷を与えた今回の土石流。

これまでに270人以上が死亡し、1300人以上が行方不明となっています。

中には日本人も含まれています。

ネパールの旅行会社によりますと、ツアーに参加していたのは子供を含む一家5人で、連絡が取れない状態が続いているということです。

日本人一家5人は、26日に中国チベット自治区側からネパールに入国し、大規模な土石流に巻き込まれた恐れがあります。

ネパール中国側は、今後、被害はさらに拡大する恐れがあります。